隠蔽体質からの脱却。神戸市立校のいじめ件数が約11倍になったワケ

 

文部科学省は、いじめ認知件数の報告を求めることで、学校や教育委員会のいじめへの問題意識を高めて、いじめの未然防止や早期対応の取り組みを促す意義もある、と説明しています。軽微ないじめも見逃さない姿勢を全国すべての学校に浸透させていく必要があります。現実の把握せずして、いじめ解決が進むとは考えられません。その点、神戸市や仙台市の教育委員会のように、軽微ないじめも丁寧に把握し報告している点は高く評価できます。

しかしながら、学校や教育委員会によっては、まだまだ、「いじめがあった」ことを認めたがらないところもあります。私たちへの相談でも、学校に「いじめられている」と伝えたら、「いじめではありません」と言われたという相談が少なくありませんし、「校長先生や周囲の先生から、『いじめ報告件数はあまり多いのはダメよ』と注意を受けてます」という先生もいました。

大事なことは、子供たちを育てるために「何が大事なのか」ということです。ましてや子供たちに「ウソをついてはいけない」と教えているのが学校です。文科省は、学校がいじめの数に手心を加えたりしなくても安心して報告できるシステムを構築すべきです。先生たちも嘘をつきたくてついているわけではないでしよう。いじめの認知件数によって、評価が下がったり、叱られたりさまざまなプレッシャーがかかってくるのだと思います。今回の報道にあった仙台や神戸ができるのであれば、他の市町村でできないわけはありません。私たちは子供たちのために、いじめの実態を明らかにするよう訴えてまいります。そこから本当のいじめ撲滅、いじめ解決につながるはずです。

ご相談を受けていますと、「これはいじめですか?」と不安げに聞く方が何人もいらっしゃいます。「学校に相談してもよいのでしょうか」と学校に行くことをためらう方もいらっしゃいます。いじめは早期発見・早期解決が重要です。躊躇しないで、まずは担任の先生に相談してみてください。ここからスタートしましょう。不安に思われたら些細なことでも、ぜひ、私たちにご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤  松井

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
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