MAG2 NEWS MENU

EDの主な原因は「ストレスとうつ病」。オトコよ、24時間戦ってますか

複雑なビジネス環境、長時間労働、利害の交錯した人間関係など、ビジネスパーソンがハイストレスや抑うつ状態になるリスクは、現在、非常に高まっています。

たとえばうつ病の場合、意欲や興味・関心が激減するということはよく知られていますが、こうした心の不調といっしょに、身体も悪影響を受け、さまざまな症状を発症します。とくに、睡眠、食事、性行為といった基本的欲求に障害が起こり、結果、ED(勃起不全)に陥ることもあります。

ED(Erectile Dysfunction)とは

性交時に勃起しない、あるいは勃起状態が持続できないために性行為が行えない状態をEDと言います。

日本では、勃起不全、勃起障害と訳されますが、勃起が起こらない場合だけでなく、勃起を維持できないために、満足な性行為が行えない状態も含まれます。

このように、自分の意思とは裏腹に、性行為を満足に行えなかったり、射精前に萎えてしまったりする状態が3ヶ月以上続くと、EDと診断されます。

日本でのEDの認知度は低く、残念ながら受診などには繋がっていないのが現実です。

EDの原因とは

EDには、身体的疾患による器質性EDと、メンタルの疾患による心因性ED、両方の混合型、薬物によって起こる薬剤性EDがあります。

器質性ED

血管や神経の障害、生活習慣病、手術や外傷、前立腺や男性器の疾患など、身体の疾患が原因となっているもの。

心因性ED

ストレスなど、心の不調が原因となっているもの。身体には病気など悪いところがないのに、勃起しない、途中で萎えてしまう、最後まで性行為ができないなど。

混合型

器質性EDと心因性EDが混合しているもの。

薬剤性ED

薬剤などの影響が原因となっているもの。

心因性EDの2つのタイプ

ストレスやうつ病とも密接に関連しているとされる心因性ED。

さらに2つのサブタイプに分けられています。

<現実心因>
ストレスやプレシャーによって引き起こされるEDは、現実心因に分類されます。

たとえば、パートナーのちょっとした言葉に過敏に反応して、衝撃をうけてEDになったりします。また、妊娠を切望するパートナーから、排卵日近くなるとセックスを強く迫られるなどということも原因になります。

さらに、仕事の場面では、たとえば、役職につくことによる重圧や責任感などがストレスになります。あるいは、金銭的に余裕がなく、経済的にストレスがあるなども原因となることがあります。
 
このように、現実心因では夫婦関係や仕事場での上下関係など、人間関係の難しさがEDを引き起こしてしまっています。

<深層心因>
現実心因は、自分で原因が思い当たることができるのが特徴です。これに対してもう一つのタイプである深層心因の場合、EDに悩んでいる本人にも思い当たる要因が見つけられません。

概して深層心因では、現在のことではなく、過去のことが原因になっている場合が多々あります。たとえば、幼児体験や性的トラウマなどの過去の出来事です。

これは、本人にとっては無意識であることがほとんどなので、原因究明に至るまでに長時間を要し、治療も難しい場合が多いようです。

EDとうつ病

EDには、器質性ED、心因性ED、両方の混合型、薬剤性EDがありますが、うつ病が原因となっている場合は、どれに該当するのでしょうか?

うつ病は、何事にも意欲がなくなり、それが性欲減退にもつながるため、本来は心因性のEDと言えます。

しかし、身体的な疾患によってうつ病になっている場合、器質性EDや両方(器質性と心因性)の混合型のEDである可能性もありますし、うつ病の治療薬が原因でEDになっている場合では、薬剤性EDの可能性もあるため、うつ病の場合、一概に心因性と言い切ることはできず、どれも可能性があるということが分かっています。

心因性EDの治療法

心理療法と薬物療法があり、状況によって、両方を取りいれながら治療します。

<心理療法>
専門家のカウンセリングを受けて、アドバイスをもらいながら精神的な原因を取り除いていきます。心理療法は時間をかけてゆっくり行うことが基本です。ですから、定期的に通院し、場合によってはパートナーにも協力してもらうことが大切な治療の一環になります。

<薬物療法>
心因性EDの場合、PDE5阻害薬が効果的です。

薬の力を借りて性交が上手くいくと、その後は自信を取り戻すことができるので、やがて薬を必要としなくなる場合も多いのです。

「マスターベーションはできるのに、性交だけができない」などという場合は、心因性が疑われます。自分の周囲を振り返り、過度なストレスにさらされていないか確認してみましょう。

最近は、気軽に受診できるようなクリニックも増えています。
早めに受診してみましょう。

 

執筆:南部洋子(看護師)
監修:岩佐 厚(医師)

image by: Shutterstock

 

【関連リンク】

記事提供:Mocosuku

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け