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「変わらないね〜」は褒め言葉ではない。喜ぶ人は危機感が欠けている

久々に会った友人から「いつまで経っても変わらないな~!」などと言われて嬉しく思ってしまったこと、ありませんか? しかし、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者でマーケティング戦略の指導者として知られる弘中勝さんは「それは褒め言葉ではない」とズバリ。いつまでも昔と変わらない人には、本人も気付かない「大問題」があると指摘しています。

変わらないという意味

変わらないねえというのは褒め言葉ではありません。よく久しぶりに会った相手などに対して「変わらないねえ」と言う時には、「年を取ったのに、雰囲気は若いままだね」という意味で使うので、褒め言葉のようにイメージしがちです。でも、本来は褒め言葉ではないのです。

変わらないということは、「変化をしていない」ということだから、「現状維持のままですね」という意味です。変わっていないというのは、現状維持で前進していないということなのです。

その年齢や見た目の話で言えば、本当の意味での褒め言葉とは「変わらないねえ」ではなく、「若返っているね」です。確かに現状維持を続けているのもすごいですが、「若かった頃よりも、若いね」というのが本当は相手の進歩を讃える言葉です。

「変わらないねえ」というのは、単純に「(自分や)普通の人は、老けるのにね」という、自分や周囲を低めた上での比較でしかありません。だから、本当は褒め言葉ではありません。それが分かっていないと何でも変わらずにやってしまうことをいいことだと感違いをしてしまいます

例えば老舗の銘菓や料理などだと「変わらない味だね」なんていうのを褒め言葉でいう場合はあります。しかし、実際にはすごく変わっていますプロの職人は時代に合わせていろいろなことを変えているのです。製法は昔のままであっても、原材料がもっと良くなっていたり、使う道具がさらに進化していたりします。

さらには、味はそのままであっても、通販で買えるようになっていたり、食べやすいパッケージになっていたりと、時代に合わせて必ず進化をさせているのです。伝統をずっと続けている人や店も、革新を重ねて進歩し続けているのです。

だから、昔のままで「変わらない」という人は、現状維持の体制を取っているので、社会の進化とともに自分は遅れていっています

そのサイクルはどんどん早くなっているので、「この1年何も変わっていないな」と自分が感じるのであれば、もうその人はものすごく危険な状態だと言えます。自分が取り残されていっているのが分からず、慌てて追いつこうとしても手遅れになります。

もちろん、変化をしたことで悪化をしたりうまくいかなかったりすることもありますが、少なくとも「変化をしてみた」という経験があれば、「じゃあ次はこのように変化してみよう次の行動に動くことができます

しかし、「何も変わっていないまま」であれば、本人から見るとプラスマイナスゼロに思えますが、周囲はみんな前へ前へと進んでいるので、完全に遅れていっていることになるのです。

「今のやり方でも十分にお金になっているから大丈夫」と、新しいことにチャレンジしていかず今のままでやっているといきなりお金にならない時がやってきます

これは、小学生の勉強のようなものです。自分は小学1年生の頃から、小学2年生がやるような掛け算や割り算ができる、といってそれを自慢していたとしましょう。でも、それをみんなが「すごい」というので、そればっかり披露して自慢していたら、みんなが小学3年生になった時には、自分はまだ小学2年生の算数のままでしかなくて一気に成績が下位になってしまう、というようなもの。自分が「これだ」と思っている能力ややり方は、それだけに固執していると周囲の時代の流れがどんどん後ろ後ろへと追いやってしまうのです。

9月になって、2016年も残すところ、あと3分の1となりました。2016年が始まってから自分は何が変わったでしょうか?

「いや、まだこの8ヶ月では大して変わっていない」
「今年に入ってから何かを変えたわけでもないし何かを始めたわけでもないな……」

という人は、めちゃめちゃ危機感を持ったほうがいいでしょう。残る3分の1で、「2016年に大きな変化をした!」と後で言えるようなそんな変化の機会を作ってみませんか。私も、作ります。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)————-

image by: Shutterstock

 

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