日本の夫婦の3組に1組が離婚していると言われていますが、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で中部大の武田教授は、事実ではないことを専門家を名乗る人たちに吹き込まれ、あたかも「正しい夫婦」というのが存在し、それ以外は問題があるかのように思い込まされていることが離婚率が高まった原因の一つであると厳しく非難しています。武田教授が考える結婚とは?そして夫婦とは…?
共に愛し合い生涯を誓い合った夫婦が破綻する理由
このシリーズでは「普通にやれば楽しい人生を送ることができるのに、日本人の暗い性質がさまざまな社会的システムに悪用されて暗い生活を送っている」ことを指摘しています。第一回は「石油がなくなる」とか「温暖化する」という科学的な根拠のないことで暗い生活、第二回目は「楽しいはずの学校生活をやる必要の無い試験などをやって子供を苦しめている」事を指摘しました。
第三回は愛し合って結婚し、共白髪までと誓った夫婦の破綻が多いことです。
なぜでしょうか?事実ではないことを家庭評論家、男女問題の専門家に吹き込まれて錯覚に陥っているだけです。
人にはそれぞれ「これが正しい」と思っていることがあります。なにを「正しい」と思うかは、時代(年齢)、男女、環境(家庭、近所など)によって違います。従って、夫婦はまず男女が違い、普通は年齢も環境も少し違います。もし、「意見が一致する夫婦」になりたければ、同性で同じ年齢、父親が同じ職業などの相手を選ぶ必要があるでしょう。
従って夫婦というのは意見が違うのがノーマルで、意見が一致するのは不思議ということです。それではなぜ結婚するのかというと、「子孫を残すために男女の愛の感情がわいてくる」というのが正しい考え方です。
よく命を大切にすると言いますが、自分の命はせいぜい100年ですから、大切にしなければならないのは「結婚する」ということで、それによって大切な命は1000年でも1万年にも延びます。だから生物は生殖に全力を傾けるのです。
生物は異性の意見が一致することを期待していません。本来は、オスとメスは「役割分担」が違っていて、その役割に即した性質や考え方をします。しかし現代の男女は浅はかな人間の頭で「男女は同じ事をしなければならない」という奇妙な前提のもとに立つことになりました。私はテレビなどで女性の闘士がそのようなことを言うと、「では私が子供を産めるようにしてください。そうでないと不平等です」と言います。
つまり、男女はそれぞれの特徴を活かして、女性は子供を産み、男性は筋肉を使うようにできています。それに従うことが「自然に優しい」ということであり、本来の生物としての生き方なので、それ以外の道を選択すると頭で考えた良い悪いとは違う場合もありますが、不幸になるのは当然です。
でも、子供を産むということはかなりのハンディができるので、女性が不利になります。そこを「結婚した男女」でどのようにカバーして「二人とも幸福になる」のはどうしたらよいかと言うことです。男性の性格や能力、女性の好みや体力などでかなりおおきく違いますので、男性が外で働き、女性が専業主婦として子育てにいそしむというスタイルから、二人で仕事をし、二人で子供を育てるやり方まで、1000種類ぐらいのパターンがありますので、それを「これが良い」と決めつけることはできません。
夫婦に「良い悪い」という一定の生活様式はないのです。
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『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋
著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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