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【京都案内】今年も古都に秋が来た。紅に染まる大原の里を往く

京都が一年のうちで最も美しくなると言っても過言ではない、紅葉の季節。せっかく京都まで足を運ぶなら、訪れるお寺の縁起・由緒なども知っておきたいところです。無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、古都の魅力を知り尽くす著者の英 学(はなぶさ がく)さんが、京都・大原の紅葉スポットの見どころを、わかりやすくコンパクトにまとめてくださっています。

紅葉特集「大原」

10月も中旬になりましたので今回は紅葉特集です。何度かに分けてご案内しようと思いますが、まずは大原をご案内します。

大原の里は市内中心部から離れた場所にあり、山間の盆地にあるため気温の寒暖の差が激しく、紅葉の色鮮やかさは格別です。三千院のしっとりとした苔のじゅうたんの上に建つ往生極楽院の優美な姿と真っ赤な紅葉のコントラストはとても感動的なシーンです。大原には三千院の他にも5分~10分で歩ける距離に勝林院や宝泉院などの紅葉の名所や来迎院などもあります。

今回は写真付きの私のブログのサイトも載せておきましたのでそちらも是非ご覧ください!

三千院

image by:京都フリー写真素材

三千院は古くは東坂本に里坊がありました。大原魚山(ぎょざん)の来迎院、勝林院、往生極楽院などの寺々を管理するために大原に政所(まんどころ)を設けたのが前身です。その後、明治になって三千院と呼ばれるようになりました。三千院は妙法院、青蓮院、曼殊院、毘沙門堂とともに天台宗五箇室門跡のひとつでとても格式のあるお寺です。

三千院は国宝の阿弥陀三尊をはじめ、多くの文化財が安置される天台宗の寺院で大原散策の中心地です。杉木立に囲まれた有清園と、茶人・金森宗和の手による美しい聚碧園が一番の見どころです。有清園の杉苔にはわらべ地蔵が置かれ、庭を散策する人を温かく迎えてくれています。境内は苔庭に赤や黄色に色づいた葉が美しく降り積もり深まる秋を感じることが出来ます。

三千院 紅葉 京都が誇る紅葉の名所 見どころ情報

実光院

日本音楽の源流といわれる声明の発祥地、来迎院と並ぶ勝林院に関連する寺で宝泉院とともに創建されました。庭園は東側が池泉観賞式の庭園で江戸時代後期の作庭と伝わります。律川から導いた滝の水が流れ落ち、池の手前を俗世間、向こう側を仏の浄土に見立てているようです。また、西側一体は回遊式の庭園で荒廃していたものを現在の住職が作庭されたものです。11月頃に満開になり春にもまた咲くという不断桜が見どころです。

実光院 紅葉 見どころ情報
来迎院 紅葉 見どころ情報

勝林院

image by:京都フリー写真素材

835年に円仁によって開かれた寺で、寂源(じゃくげん)が1013年に中興した日本音楽の源天台声明発祥の寺です。古くから来迎院とともに天台声明の道場として栄えました。1186年には顕真(けんしん)と法然との大原問答がこの寺で行われました。江戸時代には4坊あったと伝わりますが、現在は宝泉院・実光院の2院が現存しています。

勝林院 紅葉 見どころ情報とライトアップ

宝泉院

image by:京都フリー写真素材

三千院の参道の奥の突き当たりに勝林院の本堂があります。この本堂は大原における天台宗仏教が栄えた中心的な場所です。宝泉院はその僧坊(そうぼう)として古く800年前よりあったお寺です。僧坊とは僧侶が生活をする居住の場所です。山門をくぐると目の前には樹齢700年の五葉松がそびえ立ちます。額縁の庭園は客殿の柱を額縁に見立て客殿の中から眺めるとまるで絵画を見ているような庭園です。

宝泉院 日本一美しい竹林と紅葉のコントラストは絶対に見逃せない!!

寂光院

天台宗の尼寺で、聖徳太子が父・用明天皇の菩提を弔うために建立された寺です。本堂前西側の庭園は平家物語当時のままで、心字池、千年の姫小松、苔むした石、汀の桜などがあります。

また本堂手前の右にある大きな南蛮鉄の雪見燈籠は太閤豊臣秀吉の寄進で桃山城にあったものと伝わります。

寂光院 紅葉 見頃は? 大原の紅葉狩りの穴場はココ!

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock

 

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