ODAの目的とは!?
そもそもODAの目的は何かというと、大綱に「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて 我が国の安全と繁栄の確保に資することである」と記されている。他方、昨年出された「TPP関連政策大綱案」には、インフラ輸出の戦略として「円借款など手続きの迅速化」が掲げられ、アベノミクスの成長戦略に掲げるインフラ輸出のためにODAを積極的に活用する旨が前面に打ち出されている。
昔はこういったことは「紐付き予算」といわれ、60、70年代は他国から「援助したら相手国にすべて任せるべきだ」と非難されていたこともあった。開発援助を出資している国々は28ヵ国あり開発援助委員会のメンバーとなっている。国連ではODAへの支出額をGNI(国民総所得)比で0.7%を目標としているが、多くの国は0.3~0.7%。日本のGNI比は0.19%と援助比率としては低い。そのため「日本は輸出のために援助しているのか」と紐付き予算の時代にいわれていたのと同様に再びいわれており、そういう意味でもODAは変質してきているともいえる。
インドには新幹線導入費用を…
インドに対しての1兆4,000億円の円借款は、新幹線導入のため中国と競争していた中国に競り勝ち実施されたもの。今後、不具合が出たり、導入コストが高くなるとインドは日本と縁を切り、中国にチャンスを与えるという可能性も出てくる。現在、ハイテク機器の導入などについても各国との競争が続いている。そういう意味からいうと、最先端の投資というのは失敗できないといえる。
貸出した国の債務が焦げ付くということもあり、その場合は返済してもらえない。外務省によるとODAの債権放棄額(借金返済ができなくなった金額)は2013年時点で2,100億円余となっている。現在、安倍政権がドンドン援助しているODAがこれから先、返済放棄されるかもしれない。先ほどのインドの1兆円もどうなるかわからないともいえる。