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日本の女性がイライラしだしたのは、女性指導者のせいではないか?

共働きで忙しい毎日を送っている日本の既婚女性の多くは仕事や家事や子育てに追われて疲弊しきっています。日本の女性は、いつからこんなに苦しい生活を強いられるようになってしまったのでしょうか? メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学の武田教授は、一部の「恵まれた環境」で育った女性指導者や識者たちによる「誤った認識」こそが、その根本的な原因だと持論を展開しています。

家庭、仕事、子育て…日本の女性はなぜ苦しんでいるのか?

女性の生活は決して楽になっていない。戦争が終わった頃と比較すると、家庭電化製品が充実し、かつて、掃除、洗濯、食事、育児で丸一日、働きづめだった女性は、ずいぶんと楽になったはずだ。それにかなり前から使い捨てのオムツもでき、育児の負担も大幅に減った。

でも、現在の日本の女性は決して楽な生活をしているわけではない。

戦後の時期を抜けて高度成長期になると、2DK夫人、有閑マダム、三食昼寝つき、亭主元気で留守が良い、などと言われて一時期、主婦は楽な人生を送ることができた時代もあった。それが、現在では、むしろ逆戻りして仕事、育児、家事に追いまくられ、超忙しい生活を送っている。

子供ができると母親のやることは多い。夫が若干の手伝いをしても辛さが変わるものではない。つい、言葉は適切ではなかったが託児所の不足で「死ね!」と言う汚い言葉も使いたくなる。

もちろん、家庭と子供を持った主婦だけが辛い生活を送っている訳ではない。オフィスに勤める若い女性にも過度な負担がかかっている。つい先日、東大をでて抜群の容姿をもち超一流会社の電通に勤めたほぼ1年目の女性が、勤務が辛く自殺した。それほど極端ではなくても、勤めている女性の多くはいろいろな辛さ、不満を抱えている。

どうして、日本の女性は苦しんでいるのだろうか?

著者は現在の日本の女性の苦しみは女性の指導者が創造したものだから、仕方が無いというか、男性には手をさしのべられない感じがする。

女性のごく一部、たとえば1万人に一人ぐらいが、さまざまな面で恵まれている。良い大学をでて、家も裕福、自分の母親が近くにいてなんでも手伝ってくれるという女性がいる。そんな女性が力もあり、時間もあるので、男性と同じような仕事をして活躍する。外から見ると輝いて見えるし、家事、育児、仕事を見事にこなしているように見える。

本人は、「家事、育児をしても仕事で男性と同じくすることはできるわ。できない人はサボっているからよ」と言う。しかし、よくよく見ると、家は裕福で必要な最低限のものは備わっているし、自分のお母さんがいつも手伝ってくれる。生活も楽なので、時間がないときには家族で外に食事にでる。家も広くて余裕があり、車は2台もっていて夫とお母さんが適当に使っている……

そんな女性が指導者になり、「私はこうしたわ」と個別の議論をする。でも1万人のうち9999人はそうではない。家は狭く、郷里の母親は遠い。夫の給料はギリギリなので、何かの時に家族で外に食べに行くことも、オムツも自由には買えない。時には夫がお酒におぼれているとか、暴力を振るうということもある。自分も外で仕事をしているのに夫は「家事と育児は女がするものだ」と心の中で思っていて、肝心なときでも男同士のつきあいを優先する。これでは女性はたまらない。

一方では、日本社会は次第に女性が働くようになったので、男性の給料を上げなくなった。家族手当もなくなる可能性が高い。つまり、女性はみずから辛い人生を選択しているが、それの主犯は女性指導者のように見える。

何が間違っていたのだろうか?

『子育て』の重要さを軽視し過ぎた?女性指導者や識者が犯した大きな誤り

戦争後、日本文化が否定される中で「日本の女性は虐げられている」という間違った認識が新聞などを中心として言われだした。日本は歴史的にも男性より女性を大切にする社会で、戦争の時でも男性は徴兵で出征するが、女性を徴兵することはなかった。

最前線は男性が役に立つが、軍隊は多数の食事を準備する人、軍服を整える人、通信などがあり、女性の方が望ましい。でも、子供を育てるというもっとも大切な仕事を女性がしているから男性が死ぬという論理だった。夫に死なれる妻も辛かったが、男は命を落としていたのだった。

しかし戦争がなくなり、男性のやることが戦うことからサラリーマンになると、仕事で死ぬことがなくなり、女性も職場に進出を始めた。確かに家事、育児だけでは暇になったので、外に出たいという希望は自然のものだ。

この局面で大きな誤りを犯した。それは、「子育てという人間にとって最も大切な作業は簡単に止めることはできない」ということを忘れていたこと、それを女性の指導者や識者が指摘しなかったことだ。

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image by: Shutterstock

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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