トランプ「快進撃」は逆に大儲けの好機。次の狙いは中国経済破綻か?

 

次のリスク・プレミアムはいつか?

今回のトランプ大統領リスクは大きなチャンスになっている投資家も多いように思う。リスクが出たら、素早く売り抜けて、リスクが収まったら、素早く買うようにすれば、大きな儲けを手に出来る。

ということで、リスク・プレミアムは大儲けのチャンスなのであるとも言える。経済成長率があまり上がらない現状では、企業成長による株価上昇は、新興企業やベンチャーしかないが、その企業は倒産の可能性も高い。とすると、大企業投資で儲けを出すには、リスク・プレミアムの発生が1つの機会を作ってくれているように感じる。

ということで、次のリスク・プレミアムはいつ来るのか? ということになる。

1つ目には、12月米利上げ中止リスクでしょうね。FRBフィッシャー副議長は講演で「最近の経済指標は追加利上げの根拠をさらに強めた」と述べて、確率が70%にもなっている。市場も織り込んでいる。この市場予想を覆すとリスク・プレミアムになる。

事実、HSBCホールディングスとロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は12月14日に終了するFOMCでも政策金利が維持され、利上げなしと予想している。

2つ目には、日本に財政危機が迫っており、ヘリマネや「預金封鎖」「通貨切り替え」「財産税」といった財政再建策について財務省で検討が行われたようである。暴力的な政策は無理であるが、ヘリマネなどの方法で通貨価値を下げてその後通貨切り替えする可能性はある。このようなことになったら、リスク・プレミアムになり、円暴落と株価暴落するが、その後株価急騰になることが予想できる。

3つ目には、中国経済破綻である。人民元安になっているのは、中国人民銀行が人民元札を無限大に印刷して、市場に出しているので、通貨量を増やしているからである。国営企業に無制限に貸し出していることによる。

このため、中国人は人民元をドルに代えて、海外に資産を移すことで、資産を守るようにしている。中国富裕層の資産管理を手掛けるクレジットイースの上海駐在マネジャー、Huang Qing氏は「過去1年間、われわれは多くの顧客の資産をドル建てに移動させる手助けをしてきたが、最大のネックはどうやれば人民元を法律に則って海外に移せるかということだった」と話す。

中国政府は近年、人民元が突然急落する事態を防ぐために一連の資金流出抑制策を打ち出してきたことで、簡単には資産を海外に逃がすことができなくなった。しかし、人民元の価値を守るために、人民元買い介入を政府は行い、このために外貨準備高が急減している。

どこかで中国の経済政策は行き詰まる。インフラ投資後、メンテナンス・維持管理が必要になるが、国営鉄道会社は大幅な赤字になっている。30万都市に全て高速鉄道を通すというのは、無理がある。

いつまで、このモデルが持つのか、数年か、数十年か、分からないが、いつか破綻する。その破綻前に農民への社会保障を確立して、消費経済にシフトできるかが、問題のようである。

これからも、リスク・プレミアムが起こり、その都度、株価の大きな変動が起こりり、儲けのチャンスが訪れるということである。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock.com

 

国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
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