グローバリズムのダークサイド
「グローバリズム」とは何でしょうか? いろいろな意味で使われますが、私は、「人、物、金が自由に動き回れるようになること」という意味で使っています。
これを聞いて「いいじゃないか!?」と思う人も多いでしょう。しかし、「ダークサイド」も明らかにあります。たとえば、「お金の移動」が自由になった。それで、世界の大企業、大富豪は、普通にオフショアを使っています。「パナマ文書」は記憶に新しいですね。そして、大企業、大富豪は、「合法的に税金を払わなくていい」。
さらに「人の移動」が自由になったことで、貧しい国から豊かな国(たとえば欧米)に、人が大挙して移ってきている。いわゆる「労働移民」です。結果、労働市場に毎年大量の「労働力」が供給され、元から住んでいる人たちの給料が下がっていく。
大富豪はオフショアを利用し、税金を払わず、ますます豊かになっていく。貧しい人、中産階級は、労働移民の大量流入で、ますます貧しくなっていく。結果、現出したのは、非常にいびつな世界でした。以下の記事、熟読してください。
CNN.co.jp2016年1月18日から。
オックスファムは今週スイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に向け、米経済誌フォーブスの長者番付やスイスの金融大手クレディ・スイスの資産動向データに基づく2015年版の年次報告書を発表した。それによると、上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、どちらも計1兆7,600億ドル(約206兆円)だった。
何と、「超富豪62人の資産は、下から36億人分の資産と同じ」だそうです。
また、上位1%の富裕層が握る資産額は、残り99%の資産額を上回る水準にあるという。
(同前)
上位1%の資産は、残り99%の資産額より多い!そして、同報告書によると、格差はますます拡大し続けています。
富裕層と貧困層の所得格差も拡大を続けている。1日あたりの生活費が1.90ドル未満という極貧ライン以下の生活を送る下位20%の所得は1988年から2011年ま
でほとんど動きがなかったのに対し、上位10%の所得は46%も増加した。
(同前)
世界には、1日当たり1.9ドル(1ドル100円換算で190円)、つまり月6,000円以下で暮らしている人が、20%もいる。世界の人口が73億人とすると、14億6,000万人もいる。
- 62人の超富豪と、貧しい36億人の資産は同じ。
- 上位1%の資産は、残り99%を超える。
- 貧富の差は、ますます拡大している。
このような世界の現状は、陰謀論者でなくても、「おかしい」と思うでしょう。