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管理人はペッパーくん? マンションの受付で普通にAIロボが働く日

驚くべきスピードで進化しつつあるAI(人工知能)技術ですが、今後、私たちの生活にその技術はどのように活かされてくるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、すでに発売されているAIロボの「pepper(ペッパー)くん」を例に、マンションでAIロボが活躍してくれそうな場面を想像しながら、未来のマンション管理について考えています。

AI管理員さんの夢想

こんにちは! 廣田信子です。

管理員さんがペッパーくんに変わる日も近いのでは(「隙間、突発に対応できることの価値」)に関連して、「ペッパーくん」論議で盛り上がりました。

でも、「ペッパーくん」って反応遅いよね~なんかイライラしちゃう。タッチパネルで簡単…っていうけど、そもそも高齢者の人、タッチパネルの操作ができる? 「ペッパーくん」では、電球の交換もできないでしょう?

ほんと、現状ではその通りなんですが…、AI(人工知能)の進化は驚くべきスピードです。昨年、AIの第一任者、マイケル・オズボーン准教授の今後10~20年で47%の仕事が機械に取って代わられるというレポートが話題になり、チェスも将棋も、囲碁までが、人が人工知能に勝てない時代になりました。新年、今年の大きな変化の予想に、AI(人工知能)の進化を上げる人が多かったですね。

ビックデータを分析し、最適の答えを導くことは人口知能の得意分野です。同時に、映像やセンサー技術の進化も目覚ましいです。犯罪者犯罪予備軍の心理状態に反応し危険な人を教えてくれる監視システムもすでに稼働しています。人間が無意識のうちに発する微妙な振動(オーラ)を読み取るのです。

リオオリンピックでも伊勢志摩サミットでも大活躍したといいます。システムが感知した人のうち92%が薬物や火薬など危険物の持ち込みや不正入場を試みる客だったといいますから、すごい感度ですね。

今ですら、そんな技術があるのですから5年後はどうなっているか楽しみです私の得意な夢想がとまりません。

玄関ホールのペッパーくんは、人が入ってきたら、さっとそちらに顔を向け、誰であるかを瞬時に認識します。住民だとわかると、「おかえりさい」と挨拶。で、その人に伝えたいメッセージを事前登録しておくと、「メッセージがあります。ヘッドホンをおつけください」といって、メッセージを伝えます。「総会の出席票をご提出くださいね」なんてことも。

で、住民の方で何か用があるときは、ペッパーくんを見るだけで、ペッパーくんの方から、「何かお手伝いすることがありますか」と話し掛けます。住民は要件をふつうの会話で伝えます。タッチパネルは必要ありません。不明な点はペッパーくんが質問しながら、内容を理解し対応します。

共用施設や来客用駐車場の予約も口頭で話し掛けるだけでできます。ペッパーくんは、利用状況のデータとつながっていて瞬時に判断し、受付も完了します。直接対応ができないことは、事案に応じて管理会社の専門部署につなぎます。

365日24時間稼働しているというところが、人間の管理員さんと大きく違います。で、そのマンションの住民や管理に関するデータは、すべてもっていますので、質の高い対応を瞬時にすることが可能になります。

なんだか、このくらいはすぐにでも可能になりそうですね。

で、もし不審な波動を発する外部者が入ってきたら、「何かご用ですか」と牽制し、相手の映像をばっちり写します。

さらに、ペッパーくんは理事会でも活躍します。過去の総会、理事会、大規模改修のデータ等は全部インプットされていて、理事が、「ペッパーくん、前回、修繕積立金を上げたのはいつ?」と聞くと、すぐ答えが返って来ます。法律や判例や規約のデータにもつながっていますので、「うちの規約では、役員の資格はどうなっているの?」というような質問に瞬時に対応します。「今の会計上の課題は?」なんていう質問に対応するのはお手のものです。

頼りになるアシスタントとして、管理員さんだけでなく担当フロントの役割りも代行できてしまいます。ホテルの受付けや顧客対応窓口、弁護士のアシスタント等の仕事は、近い将来AIロボットにとって代わられるだろうと言われていますから、マンションAIもこんなことはできるようになるでしょうね。

さらに…家にいるはずなのにしばらく姿を見ない住民の情報を管理会社や理事長に知らせて安否確認するなんてことも。

…と考えながら、技術は進んでもこれをマンション住民は望むかな~と急に夢想から覚めました。でも、夢から覚めて改めて思います。携帯電話が登場したとき、10年後に誰もが当たり前に持つ時代になると誰が想像したでしょう。インターネットが普及し出した時、今のインターネット社会を想像したでしょうか。スマホも…です。私ですら、様々な新しい技術を、最初、そこまで必要ないんじゃないかな~と思いつつ、時代の流れに沿って使いだすとすぐに手離せなくなっています

普及と共に、驚くほどのスピードで利用のコストも下がってきます。現場の人手の確保が難しくなった社会情勢、東京オリンピックのテロ対策、急速に進む超高齢化…、人口知能やセンター技術が爆発的に進化し普及するニーズがそろっています。

私の夢想を超えたAIロボットの活躍をマンションで目にする日はやはり近いと思います。そのとき、AI管理員さんは、「ペッパーくん」とかいう呼び名じゃなく、一人(というかな?)ひとりが固有の名前を持っていることでしょう。なんだか、会うのがたのしみです。

 

 

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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