文科省「いじめ防止法」会議で飛び出した、軽微ないじめ軽視発言

shutterstock_157724411
 

2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」。一部では「ザル法」などと酷評されているこの法律の改訂検討が続いています。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、2月7日に文科省で行われた「いじめ防止対策協議会」の様子が記されていますが、文科省と教育の現場、さらには現役の教師の間にも温度差があるようです。

傍聴記

沖縄市の中2男子が暴行され、ネットに動画が流された事件で、新たな事実が報道されています。市教委の発表では、被害生徒はその後、不登校になったが、学校や市教委は暴行されたことを知りながらも調査していなかったというのです。さらに、この事件以前にも別の生徒が同様の被害を受けて転校していたことが発覚しました。

「見つからなければいいんだ」
「問題にならなければ無かったことにしよう」

こんなことが当たり前になっている現状こそ、問題なのです。文科省は、ここにメスを入れるだけの気概を示していただきたいものです。

2月7日に文科省の「いじめ防止対策協議会」が開催されましたので、傍聴してまいりました。同協議会は、「いじめ防止対策推進法」(以下「いじめ防止法」)が施行された翌年(2014年)に、いじめ防止法の取組状況の検証などをするために、文部科学省が設置した有識者会議です。

昨年10月の会議までで、「いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ」が策定されました。今年に入ってからは、策定した「とりまとめ」を具体化するために、国の「いじめの防止等のための基本的な方針」(以下「いじめ防止基本方針」)の改訂等が検討されています。

今回の会議では、「いじめ防止基本方針」については、前回の議論の結果を盛り込んだ新たな改訂案が示され、検討が加えられました。

前回の会議の後、マスコミ報道で話題になった「いじめの解消の定義について、引き続き活発な意見が交わされました。文科省の調査では、認知されたいじめの88.6%が「解消」したとされており、「解消率100%」と発表している教育委員会もあるなど、各教育委員会によるいじめ解消の見解の違いを是正すべく議論が進められてきました。

改訂案では、「単に謝罪をもって、安易に解消とすることはできない」として、

  1. 被害者に対するいじめ行為がやんで、その状態が相当期間(3カ月目安)継続していること、かつ
  2. 被害者が心身の苦痛を感じていないこと、

の両方の要件が必要とされました。

各委員からは、「夏休みなど長い休みがあるので、3カ月よりもっと長い期間が必要なのではないか」「いじめがやんで3カ月放置とならないように、毎月モニタリングをすることが必要ではないのか」など、さらに踏み込んだ意見も出ておりました。

print
いま読まれてます

  • 文科省「いじめ防止法」会議で飛び出した、軽微ないじめ軽視発言
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け