好調だった「半導体メモリー事業」も分社化することが決定した東芝。昨年は同じく好調だった「東芝メディカル」をキャノンに売り渡しています。そんな東芝の経営判断には「上場」にしがみつく無意味な意地しか見えません。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、著者で、米国でソフトウェア会社を経営する中島聡さんが、「東芝が生き残るためにすべき経営判断」について言及しています。
東芝を救うウルトラC
東芝は30日、臨時株主総会で、半導体メモリー事業の分社化を決議しました。破綻状態にある東芝の財務基盤を完全するため、事業ごと売却する予定だそうです。
東芝は、去年、稼ぎ頭の一つだった東芝メディカルを6655億円でキャノンに売却しました。しかしそれでも足らず、今度は毎年1000億円以上の利益を生み出す半導体メモリーを売却するのです。
東芝の経営陣は、一体何を守ろうとしているのでしょうか? 経営ビジョンはどこにあるのでしょうか?
東芝は、数年前に「原発と半導体で勝負する会社」に生まれ変わることを宣言しました。競争が激化してコモディティ化が進んだ家電やパソコン事業からは上手に撤退し、原発と半導体という巨大市場で、世界1、2位を争う企業になることを宣言したのです。
しかし、福島第一原発での事故のために、原発事業は破綻してしまいました。それにも関わらず、のれん代の償却を遅らせ、傷をさらに深くしてしまった経営陣の責任は重大だと思いますが、一体全体、彼らは何を守ろうとしたのでしょうか?






