「ディズニー神話」に崩壊の兆し。TDR、今後の成長に灯る黄色信号

 

オリエンタルランドは2020年度までに、顧客満足度を維持した上で3000万人レベルの年間入場者数を確保することを目指していますそのために年間500億円レベルの投資を継続するとしています。

オリエンタルランドの財務内容は良好です。3月末日時点の「現金及び預金」は2638億円、流動資産は3190億円あり、負債の1802億円を大きく上回ります。潤沢な資金を保有しています。

4月5日、東京ディズニーランド(TDL)では2020年の春までに、「美女と野獣をテーマにしたアトラクションや街並み、飲食店、屋内型大型シアターなどを建設する大規模開発の起工式を行いました。投資額はTDLとTDSの2パーク開園以来最大規模の約750億になる見通しです。

TDSでは2019年の春までに、海外のディズニーで人気があるシミュレーター型アトラクションソアリンを導入します。投資額は約180億円を予定しています。

ところで、TDRが抱えている問題点として「混雑が指摘されています。人気アトラクションでは時期によって「2時間待ち」も珍しくはありません。こうした長い待ち時間に対する不満の声は少なくありません。不快感を抱くことなく楽しめる年間入場者数は、TDRでは2800万人程度と言われています。3000万人レベルで推移している近年、顧客満足度が下がっているという指摘もあります。

3000万人レベルを維持しつつ混雑を緩和するため、アトラクションや屋内施設を新規建設し、パークの収容能力を高める方針です。ただ、一部のアトラクションや施設は既存のものを一部閉鎖して建設することになるため、一時的に収容人数は減少し、一時的にはより混雑することになります。大規模開発になるため、その影響は小さくないと思われます。そのことでTDRを敬遠する人が出てくるでしょう。

入場者数は3000万人レベルを目標としていますが、目下は3000万人割れ直前です。しかも減少傾向を示しています。加えて、大規模開発による一部のアトラクションや施設の一時閉鎖で、入場者数はさらに減ることが予想されます。

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