しかも今週は韓国で大統領選挙が行われました。そして、その最有力候補で勝利宣言を出した文在寅氏は、勝利を確信して暴言を連発していたと報じられています。文在寅は、自らに対する共産主義者だとか従北であるといった批判に対して、放送禁止用語を連発させて罵っているそうです。そして「極右保守勢力を完全に壊滅させる」とも発言しています。
文在寅氏は選挙期間中、慰安婦問題の日韓合意も、在韓米軍へのTHAAD配備もひっくり返すと発言してきました。彼が大統領になれば、日韓関係はさらに厳しさを増すことは間違いないでしょうし、朝鮮有事を利用して、在韓邦人の保護を盾に日韓合意の再交渉を迫ってくる可能性もあります。
歴史から見る朝鮮半島は、三国時代以前から現在に至るまで、ずっと内紛に明け暮れてきました。統一新羅の時代以降に統一王朝が成立するようになりましたが、それでも高麗朝に至るまで国王の平均2人に1人が殺されるか悲惨な末路を辿りました。
朋党の争いが全国規模に広がり、そして周辺国を巻き込んでいくというのも、歴史法則なのです。約100余年ほど前には日・清・露、現在も日米中が朝鮮問題に巻き込まれています。
日韓合邦にしても、「東洋永久の平和」というお題目のために、当時の新興国家であった日本が老獪な列強から「お前が責任を取れ」と言われたために、日韓双方に賛否両論がありながらも、日本は「火中の栗」を拾ったのです。日本の対外戦争は、たいてい朝鮮半島が絡んでいます。白村江の役も、元寇も、秀吉の朝鮮出兵も、日清戦争もそうでした。
北朝鮮の挑発や暴発の危機を前にして、まず韓国に対応しなければならないというのが、日本の悩みなのです。もちろん、次期韓国大統領の姿勢如何では、有事への予防措置として、韓国から邦人を一斉に引き上げる、渡航禁止命令を出すということも、予防措置として必要となってくるかもしれません。