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家族を亡くした悲しみ、帰れぬ苦しみ。括れない3.11被災地の苦悩

これまで3度に渡り、被災地ボランティアに参加して知り得た福島県の現状などについて伝えた無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教諭の松尾英明さん。今回は、松尾さんが痛感したという「東北各県ごとに抱えている問題の違い」について記されています。

被災地と一言でいっても

東北の各地は「被災地と一言では括れない多様さがある。津波の直接的被害を受けた方々と、福島の原発問題に絡む被害を受けた方々は、苦しみの種類が別である。

例えば、本メルマガ読者の方に教えていただいた次の本には、岩手の方々の苦しみが綴られている。

●『教育を紡ぐ──大槌町 震災から新たな学校創造への歩み

途中が苦しすぎてなかなか読み進められないが、読むだけでもこの苦しみは想像を絶することが感じられる。人の生死が直接的に関わる。生きていること自体がいかに恵まれているかも、思い知らせてくれる。

一方で、福島の放射線による避難区域の人々の苦しみはまた違う。生きているし、土地もそこにあるが、帰れない。不当な扱いを受けることもある。生きている上での苦しみである。震災後の自殺率が一番高いのが、福島だという。自然というより、人的被害が大きい。

いずれの地域も、物心両面でのケア、支援が必要なのは同様である。しかし、そのアプローチや支援の仕方はかなり異なる

肉体労働だけで助かる人もいる。肉体労働では助けにならない人もいる。今回の「被災地に学ぶ会」の参加者の中には、教育面で被災地の子どもへの支援をしている人もいた。お金で支援してくれている人もいた。

できる時にできる人ができることをする。今、ここ、自分ができることは何か。やれることは、やっていきたい。

image by: Nishi81 / Shutterstock.com

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『まぐまぐ大賞2014[無料部門]教育・研究』の大賞受賞メルマガ。実践例を通して、教育観を磨きながら、具体的な手法にもふれていきます。「教育を志事にする」を信条に、真に役立つ実践的な情報だけを厳選してお伝えします。教育関係者を中心に、子どもに関わる全ての方々に向けて発信します。登録・解除ともにすぐできますので、ご一読よろしくお願いいたします。

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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