どんなに素晴らしい素材を使っていても、お酒の種類が揃っていても、お客様に来店してもらえなければ何も始まりません。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で若手飲食店コンサルタントとして活躍中の中西敏弘さんは、「自店のウリを明確にできていないお店が多い」とした上で、お客様に店独自の魅力を伝えるために有効な方法を記しています。
あなたの店の特徴を1分で端的に説明できますか?
「あなたのお店を全く知らないお客様に、「ぜひ行ってみたい!」と思わせるような説明を1分間で行ってください」
先日、あるご支援先でこの課題に取り組んでいただきました。1分で自分のお店の説明をし、尚且つ、お客様が「行ってみたい!」と思わせるような説明。正直、みんな苦戦していました…。
この課題の説明ができないということは、自分のお店の特徴をしっかりと理解できていない証拠。店の説明をするときに、単に商品やドリンク等の説明をするだけでは、お客様からすると「他とは何が違うの?」と、疑問に思うだけで「ぜひ行ってみたい」とはなかなかなりませんよね。
最近は「バル」という業態がとても人気ですが、今や街中は「バル」だらけ。お客様からすると「バル? 色々なバルがあるけれど何が違うの?」と疑問に思っている人も多いはず。
しかし意外に「作り手」つまり「お店側」は、
- うちは、ワインが豊富で、グラス1杯からでも色々な種類のワインが飲めます
- うちは、ワインに合う「おつまみ」がすごく豊富で、「おつまみ」に合う、ワインをたくさん揃えていて、ワインに詳しいスタッフがチョイスします。
- うちは、肉バルで、他ではなかなか食べられない部位を食べられることが特徴で、また、うちオリジナルの調理法で食べることができます。
などなど、実は「アピールするポイント」はたくさんあっても、それをきちんと伝えきれず、ただ「バルです」「肉バルです」としかアピールをしていないお店がたくさんあります。
それは、きっと「自分たち」は分かっているから、お客様もわかるだろうと安易な気持ちがあるからかもしれません。そんなお店が今のお客様から「選ばれる」はずがありませんよね。
こんなアピールするポイントが定まっていないお店ほど、「お店に来てくれたら、絶対喜んでもらえるのに…」と愚痴をこぼしがち。でも、「来てもらえるような店の主張」「行きたくなるようなアピール」がなければ、何も始まりませんよね。「お店を選んでもらう」「お店に足を運んでもらう」ことがなければ「店の良さ」を知ってもらえるはずがないからです。
また、アピールの方法が定まっていないということは、店の「ウリ」も明確になっていない証拠であり、それでは、あなたのお店がお客様から「選ばれる店」になるはずがありません。
もしあなたのお店のアピールポイントが定まっていないと感じているのなら、1分ぐらいで説明できるような、簡潔で尚且つ、お客様に伝わりやすく、自店の特徴を端的に表しているようなアピール内容を考えてみてください。考える際のポイントは、
- どんな体験が店でできるのか?
- 他とは何が違うのか?
- どんなときに利用する店なのか?
の3点を中心に考えてみるといいでしょう。お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、店のコンセプト、特に「基本コンセプト」をまとめることと一緒ということです。
最近、思うようにお店の売上が伸ばいなあと感じている方、スタッフが店のコンセプトからズレたことをしがちになってきたなあと感じている方は、ぜひ、店のアピールポイントを考えてみてください。これが「店のブランド化」の第一歩です。
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