なぜ「新聞」はここまで読まれなくなってしまったのか?

 

A:永江一石さんの回答

新聞社については以前東京の大手3社の経営陣に呼ばれて一度お話ししたことがあるのですが、「地方の新聞紙が収益を上げるには」というと答えは一つで

「経営陣を総入れ替えすること」ですね。それが出来ないと一歩も前に進みません。w

というのも、過去に何度もブログに書いてますが、

「新聞販売店復活の秘策を考える」

● 「新聞はいま、誰が読んでいるのか」

いまなぜこんなに新聞というメディアが衰退したかというと、一番の要因は「経営陣のリテラシーとマーケティング意識の欠如」だと思うんです。

つまりこれだけ危機的状況にも関わらず「新聞や紙の本を読まないなんて時代はケシカラン」というだけで、根本的な対策を打たずにきた。そのツケが今になって回ってきているというわけですね。

ではどうすればいいかというと、ネットへの移行しか方法はないと思います。
ただそうすると記者上がりの経営陣は紙の新聞の記事をそのままネットに上げればいいと安易に考えるのですが、そうではなく「ネットに親しむ層が何を求めているか」をきちんと考えないといけません。ネットと紙では読者層が全く異なるんです。

ではネットではどんな内容がウケるかというと、わたしがまず考えたのは「紙の新聞でボツになったものが使えるのではないか」ということです。というのも、実は新聞って記者が取材した記事が全て掲載されるわけではなく、新聞社にもよりますが8割はボツになるんだそうな尖りすぎているものとか、みんなボツ。

そのため例えばアニメに強い記者が書いた秀逸なレビューがボツになったり、個人の特性を生かしきれていない例はいくらでもあります。中には綿密に取材しても5本に1本しか掲載されず、やる気を失う記者も多いとか・・。

であればそれをガンガンネットに載せ、PVに応じて報酬に加算するようにすれば手応えもありますし、モチベーションも上がると思うんです。ネットでは逆に尖ってる方がウケる

ほかにもこれは! というのがあるんですが、大事にとっておきます。w

新聞とネットが最も違うのは「受動的メディア」か「能動的メディア」かという一点です。つまり新聞やテレビは受け取ったものに目を通すだけですが、ネットは読みたい情報を自分で探して取ってくる

その違いをしっかり理解できる経営陣に変えないと、10年後に新聞の未来はないと思います。

image by:Shutterstock

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