さよなら資本主義。日本が「失われた20年」で学んだ意外な経済革命

 

地産地消経済の技術とは

そのカギは、エネルギーでは、高性能な太陽光発電であり、水力や風力、地熱などの自然界のエネルギーを使った発電であり、それを自動車の動力にすることで賄うことである。

資源は、金属から無機材料になり、そして有機材料になる方向であり、この移行技術が出てきている。有機材料は、性能的に金属や無機材料に比べても優れているが軽量である。

鉄から炭素繊維になり、そしてセルロースナノファイバーというような経路で、材料は変化することが確実である。しかし、セルロースは、木材から分離することでできるために、技術が確立すると、大変安価にでき、かつ日本は森林の国であり、材料になる木が豊富である。

テレビ画面もブラウン管から液晶ディスプレーになり、そして有機ELになって、薄くなり電気の消費量も少なくなる。同じ技術で、電球から蛍光灯、そしてLED、今後有機ELになる。

プラスチックなどもセルロース系の材料になる可能性が高い。

動物タンパクから植物タンパクにもなる。動物油も植物油になり、絹も石油由来のナイロンに、そして植物由来の繊維になるはずであるし、石油由来のポリエチレンなども植物由来の材料になる。

その変化の方向は、偏在する資源や飼育に時間がかかる動物系・昆虫系材料や食糧からどこでも手に入りやすい植物系の材料や食糧になる方向である。肉も米国では植物系の食糧で作り始めている。

この意味するところは、その土地で手に入りやすい木材などの植物を利用してすべてのことができるようになることを意味する。自給ができることになる。輸入がなくてもその土地の植物ですべてを充足できる可能性が出てきたように感じる。

地産地消経済は、このように近い将来の経済システムを作ることができるようだ。その多くが日本で研究開発されたもので、誇りを感じる。

資本主義から地産地消経済へ

多くの物。・エネルギー・食料が地元ででき、輸入するのはぜいたく品や嗜好品になると、庶民の生活はどこでも安価で快適な生活になる。特に都会より、地方の方が生活費が安くなる。木などの材料や食料が近くにある方が、安価になるのは今も同じであるが、より高度な材料・食料が手に入ることになる。

地産地消経済に必要なものは、生産技術やノウハウだけになる。技術やノウハウを持つ企業が世界に出て各地で工場を立てて、その土地の地産地消を助ける必要がある。

資本主義のように大工場を建てるのではなく、地元に小工場を立てて、生産する方がコストが安いことになるので、大資本を市場で集める必要がなくなる。資本主義がなくなると思わないが、地産地消経済も同時にできて、それが大きな力を得るように感じる。

資本主義の工場が必要なのは、電子部品や最先端研究開発などの安価であるが高い技術部品や世界中でサービスするグーグルなどのような企業である。この分野はAIやIoT、量子化部品などでいつも新しい技術ができてくるので、忙しい。

薬品分野も植物由来のタンパクが重要になっている。化合すると、大きなコストがかかるが、植物のタンパクを使うと簡単にできるような薬品が増えてきている。ここでも有機材料にシフトしているのである。このため、漢方医療の見直しが進んでいる。タミフルが良い例である。

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