8月も中盤を過ぎ、宿題や自由研究に大忙しの子供たち。しかし、いじめ被害に遭っている児童・生徒たちにとっては、2学期開始間近のこの時期はとてつもなく憂鬱でもあります。かねてから夏休み明けに子供たちの自殺が急増することを指摘している無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』の著者のひとりである丸山秀和さんは、追い詰められた子たちが無意識のうちに発する「危険な兆候」について記しています。
夏休み明けの自殺防止
お盆も過ぎ、子供たちの夏休みも後半に入りました。早いところでは、今週いっぱいで夏休みも終わるところもあるそうです。宿題とか、自由研究とか、そろそろ、焦ってくる時期になります。見通しの立っていない子供の保護者の皆様は、頭を悩ませていることと思います。自由研究のテーマについては、インターネットを検索すると、様々な情報が出てくる時代なので、昔に比べれば、何とかなるようになってきたのではないでしょうか。ただ、宿題は、きちんと計画を立てさせ、毎日チェックしていかないと終わらないので、子供との戦いになってきます。気を引き締めてかからないといけません。親子ともに、大変ですね。
さて、8月9日に、文部科学省から、「夏休み明けに向けた官民連携によるいじめ防止強化キャンペーンの実施について」という報道がありました。この中では、文部科学省をはじめ、7つの関係団体のいじめ防止の取り組みが紹介されています。
例えば、ダイヤル・サービス株式会社が8月下旬より、期間限定でLINEを利用した相談窓口を開設することや、NPO法人チャイルドライン支援センターが、フリーダイヤル(0120-99-7777)の実施時間を24時まで延長する(8月23日~9月5日)といったものです。
やはりこの8月下旬から9月上旬にかけて、いじめ防止の取り組みを充実させるのは、9月からの新学期を安心して過ごせるようにするためにも、とても大切なことです。また、毎年のことですが、夏休み明けというのは、子供たちの自殺が多い時期でもあります。いじめもその原因の一つに挙げられます。
先月のメルマガで、夏休みに入った時の子供たちの様子について注意をしていただきたいとお願いいたしましたが、夏休み明けの時期に関しても、子供たちの様子を注意していただきたいのです。いじめられている子供にとっては、憂鬱になることも多い時節だろうと思います。ですから、そうした始業式前の子供たちの心の動きを見逃さないで欲しいのです。
- だんだん暗くなってくる
- 変に明るくふるまっている
- わざと「早く学校が始まらないかな」と言ってくる
- 外で他の子と出合うとそわそわする
- メール、LINEの着信に敏感に反応する
- どことなく、そわそわしている
- 何かイライラしている
このような様子が見られたら、要注意です。
もう一つ気を付ける点として、子供たちは、なかなか親に相談をしてくれないということです。
- 心配をかけたくない
- 自分のプライドが許さない
- 親の普段の様子を見て、相談しても話に乗ってくれないだろうと諦めている
こういうことで、なかなか話そうとしないものです。ですから、これは、親の方に「注意していこう」という気持ちが必要なのだと思います。子供が何か言ってきた時に行動しようと考えていては、手遅れになります。子供は何も言ってくれないという立場に立って、見守ってあげて欲しいのです。
残り少ない夏休みの大事な時間を大切にし、後悔を残さないようにしていただければと思います。その中で、疑問に思ったことや、わからない事などございましたら、ご遠慮なくご相談ください。よろしくお願いします。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
事務長 丸山秀和
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