中国が着実に進める「一帯一路」には、裏の軍事目的がある

 

以前掲載した「安倍首相が「一帯一路」に協力表明。日本は中国に屈したのか?」という記事でもお伝えしたように、日本は国際交流会議の席上で一帯一路への協力を表明しました。しかし、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で、国際関係研究者の北野幸伯さんは「一帯一路の真の目的は制海権を確保することにある」とし、日本に十分な注意を促しています。

一帯一路、真の目的は、制海権を確保することである

習近平といえば、「一帯一路」ですね。2014年11月に、彼が提唱した。皆さんご存知と思いますが、一応復習しておきましょう。

「一帯」とは、中国、中央アジア、欧州をつなぐ「シルクロード経済ベルト」のこと。「一路」とは、中国、東南アジア、スリランカ、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ「海上シルクロード経済ベルト」のこと。

一帯」は、「陸の経済圏」。「一路」は、「海の経済圏」。壮大なプロジェクトですが、どうも「裏の目的」もある。

明らかになる「一路」の「軍事目的」

読売新聞8月21日付を見てみましょう。

「一帯一路」で軍展開、内部会議で中国「本音」

読売新聞8/21(月)7:54配信

中国の習近平(シージンピン)政権が進める巨大経済圏構想「一帯一路」を巡る安全保障をテーマに中国の国防大学が約2年前に開催した内部の会議で、軍当局者ら出席者が、構想の枠組みで軍の海外拠点展開を図るとの認識で一致していたことが、国防大の会議議事録で明らかになった。「平和的協力、共存共栄を柱とする」という政権の看板の裏側で、構想を軍事的影響力拡大の機会として位置づける中国の「本音」が浮き彫りとなった。

軍の海外拠点展開を図るとの認識で一致していた」「軍事的影響力拡大の機会として位置づける中国の『本音』が浮き彫りとなった」そうです。

もう少し、具体的な話を見てみましょう。

国防大の研究者2人は、中国海軍のインド洋海域展開には12か所の港など「補給基地」が必要との分析を示し、国有海運会社「中国遠洋運輸」など中国企業に「商用名目で他国の港の使用権を獲得させ、海軍の停泊、補給地点とすべきだ」と主張した。

「一路」を名目に、「中国海軍の補給基地を12か所作ってしまおう」と。記事には、「どこに基地を置くのか?」も載っていました。東から西に、インドネシアスリランカパキスタンジブチなど。

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