「どれだけ待たせるんだ!」というお客様のクレーム。時間に厳しい日本においては特に多いのではないでしょうか。しかし、忙しい店でお客様を絶対に待たせないのは不可能。一体どうすれば…? 無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者・坂本りゅういちさんが、そのお悩みに心理学的な観点からお答えいたします。
魅せる動作を意識する
お客様は、待たされることを嫌います。私も買い物に行くときは、できることなら、待ち時間は無い方が嬉しいです。多分、皆さんも同じではないでしょうか。
そうは言っても、実際の現場ではお客様をお待たせしてしまうことは少なくありません。作業をしていることもあれば、他のお客様を接客しているなんてことも大いにあり得ます。
工夫で待たせる時間を削るのはできても、絶対に待たせないというのは、不可能に近いのかもしれません。だからこそ、販売員が必ず意識しておかなければいけないことがありますよね。そうです。急ぐ姿を見せることです。お客様の心理を考えれば、この意識は常に持っておきたいものです。
例えば、レジに誰もおらずに、お会計に来てくれるのを待っているお客様がいらっしゃるとしましょう。先に書いたように、販売員は、他の場所で作業をしていたり、別のお客様を接客しているかもしれません。そんな中でも、お客様のお会計をしにレジへ向かいます。
そこで、お客様心理をわかっていない人は、普通に歩きながらレジへ入っていきます。別に当たり前の光景なのですが、お客様はすでに待たされています。普通に歩いている姿を見て、実はあまり良い気はしていません。
しかし、わかっている販売員は、ほんの少しだけ急ぎ足でレジへ行きます。急いでいるのは変わらないのですが、明らかに目で見てわかるように急いでいる感を出しているわけです。そうすると、お客様も納得してくれます。「ちゃんと急いで来てくれたんだな」と、わかってくれるんです。
実際、この様子を想像してみてください。あなたがレジを待っている状態で、(極端に言えば)ちんたら歩いてくる販売員と、急ぎ足で「お待たせしました!」とレジにやってくる販売員。どっちにどんな感情を抱きますか?
これも、魅せる動作と言えるでしょう。
ごくごく細かい、なんてことのない一つの動作です。でも、それだけで人の心理は全く違う感じ方をします。その積み重ねこそが、「良い接客」となるのではないでしょうか。
今日のおさらいです。
・お客様の心理を察して、魅せる動作を加える。
image by: Shutterstock