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湯呑みの底を見れば分かる。旨い寿司屋、ダメな寿司屋の見分け方

先日掲載の記事「美味しい寿司屋を見抜く方法は? 食品安全のプロがコツを伝授」では、店探しからのれんをくぐるまでの「美味しい寿司屋を見抜くチェックポイント」を紹介していた、無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』の著者で食品安全のプロである河岸宏和さん。今回は、寿司屋の店内で確認すべき項目を記しています。

美味しい寿司屋を探すために のれんをくぐってから

寿司は職人さんの素手で握った寿司をそのまま食べると言う、食品衛生的に考えると考えられない食べ物です。しかも調理場がオープンスペースで、調理工程を見ながら食べる事ができます。

のれんをくぐって、嗅覚を最大限に活用します。魚の生臭さたばこの臭いなどの異臭を感じたお店は、人を探すふりをして、そのまま外に出るべきです。予約してしまって居る場合は、「急用が出来て、断っていいですか」と聞いてみてください。

私は、席の予約だけでなく、コース料理などを予約時に注文した場合は、ある程度のお金をキャンセル時に払うべきと考えています。異臭がしていても、キャンセルの場合は断って支払うべきです。

トイレの状況

寿司は直接手でつまむ物です。店に入って席に着く前にトイレ、手洗い場で手を洗う場所があるかを確認します。もちろん確認だけでなく実際に手を洗います。最近のおしゃれな飲食店では、デザイン優先の手洗いを設置していて、手を充分に洗うだけの水量、大きさが無い場合があります。手洗いが充分に出来ないお店は、店をそのまま出るべきです。

手洗い洗剤があるか、手洗い洗剤は、香料などが強く感じる物でないか、手ふきは、ペーパータオルがあるか、風の出るジェットタオルは、ジェットタオルの清掃が不十分だと乾燥させる風が汚染の要因になってしまうので、使用すべきではありません。

手洗い場などのドアノブなどの手の触れる部分が綺麗に磨き混まれているかを確認して席に着きます。

服装

席に着いた時点で、職人さんの服装の確認をします。料理人の服装に白色が多いのは、汚れが目立つために白色を着用します。

ラーメン屋さん等では、汚れが目立たない色のTシャツを着用しているお店もありますが、寿司屋さんは、清潔感のある服装かどうかの確認が必要です。

髪型

イタリアレストラン、居酒屋、ラーメン屋さんの職人さんは、髭を生やしているかたが目につきます。髭を生やしていても、きちんと洗っていれば衛生的には問題は無いのですが、寿司は日本の伝統的な食べ物と思っています。髭は生やしておらず髪の毛も刈り上げているべきと思います。

髪型から清潔感のある職人であるべきと私は思っています。耳に髪の毛がかからない、襟に髪の毛がかからない、前髪はおでこから下がらない、学生の注意のようですが、親方の指導が行き届いていれば、まず、衛生感覚は髪型服装に表れると私は信じています。

手指

職人さんの手先を見ます。この職人さんが直接素手で握った物を食べるのですから、爪が伸びている怪我をしているバンドエイドをしている等はあり得ない光景です。手指に怪我をした場合は、調理すべきでは無いのです。

バンドエイドをしたまま調理し、調理中にバンドエイドが剥がれかかっている光景を目にしたことがあります。忙しそうなお店でしたが、怪我をしている方を調理場に立たせるべきでは無いのです。

テーブル

カウンターに座った時に、一人分の幅カウンターの奥行きがどのくらい必要か考えた事がありますか。最近のお店は、店の席数を増やすために非常に狭いお店が出てきています。

テーブルとテーブルの間の広さも同じです。ゆったりするまでのスペースは無くても、最低の大きさは必要なはずです。カウンターは奥行き45cm以上幅は60cm以上は必要です。

灰皿

せっかくのカウンターで食べていて、隣の方がたばこを吸うと美味しさが半減、いや無くなってしまいます。高価なお店のカウンターで食べる方は、まだまだたばこを吸う方が多いのは事実です。

しかし、美味しいお寿司を食べるためには、灰皿は不必要と思います。

お茶

寿司屋の湯飲みは何故大きいか考えた事がありますか。寿司屋は大将が一人で接客までしていた時代に何度もお茶をおかわりしなくてもいいように、大きな湯飲みにしたと言われています。

湯飲みと唇が触れたときの感覚手にもった時のしっくり感が大切です。ビール、水もそうですが、唇に当たった時の感覚でお茶の味が大きく変わってしまいます。何処まで、お店が食べる事にこだわって居るかを感じられるのが湯飲みの形です。

湯飲みの下が濡れていないか確認してください。こぼれたお茶で濡れたまま、カウンターに置く店は、気配りに期待出来ません。

おしぼり

おしぼりから臭いが無いか、今では少なくなりましたが、雑巾の臭いがするおしぼりを出すお店がまだまだあります。ある程度高価なお店では、おしぼりは袋に入ったままでは無く、袋から出した状態で提供すべきです。

寿司は、素手で食べるのが基本であるので、おしぼりは衛生的で無ければならないのです。

寿司は手で直接食べるべきと思っています。指で直接しゃりに触れる事でしゃりの温度美味しさが指先から伝わってくるのです。

しかし、寿司以外に刺身、つまみを食べるときには箸が必要です。箸は、しっかりした割り箸であるべきです。洗浄して使用出来るリサイクル箸を使用しているお店もありますが、しっかりした割り箸は、日本文化の一つと私は思っています。

ここから大将との会話が始まり、美味しいお寿司を食べる事が出来ます。

いままで解説してきた事が一つでも満足出来ない時には、席を立たれる事をお勧めします。もし、そのお寿司屋さんを育てる気持ちがあれば、会話の中でさりげなく注意をするのもいいかもしれません。チェーン店であれば本部にメールを出すのもお勧めです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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