営業は人依存
営業力こそが会社で一番大事な能力だと書きました。もっと言えば、営業がガンガン売ってくれるのであれば、正直なところマーケティングなんて必要ないんですよ。
ところが営業というのは生の人間がやるんですね。機械じゃないんです。だから人によって激しく差が出るんです。大体どの会社でもトップ営業って平均的な営業の3倍から5倍くらい売っちゃいますから。1.3倍とか1.5倍じゃありませんぜ。それくらい結果に差が付くんです。そうなると、売れる営業が会社にいるうちは良いですよ。でもそんなに売ってくれる営業マンを、他の会社が欲しがらないわけがないじゃありませんか。おまけに売れる人ってどんな商品やサービスだって売って来ちゃうんですから。
もしここで会社の売り上げの半分を挙げているトップ営業の人が引き抜かれて退職しちゃったら、その会社はどうなるんでしょうか? 来月からいきなり売り上げが半分にってなったら、その会社は倒産しちゃいますよ。それが人依存という問題なんです。これは小さい会社にありがちなんですけど、営業マンが3人とかしかいなくて、一番売れている人が営業部長で、その人が辞めた途端売り上げが立たなくなってしまうんです。
辞めなくたって、その一番売っている営業部長だって人間ですから、病気もすれば、歳だって取るわけですよ。そうなった時にどうするんですか? そうならないようにどういう手を打つんですか? そうやって営業マンがドンドン増えていくんですね。そういう歴史を辿ってしまったのが、かの有名な営業会社である、ダスキン、リクルート、大塚商会、光通信なんです。
営業って即効性がある反面、ダメになる時にも早いんです。そのために営業組織を肥大化させるというやり方を取るところもあるんですが、ここを補完するのがマーケティングなんです。
「営業とマーケティングの違い」で書いたように、マーケティングというのはお客さんに来てもらう、足を運んでもらう、ECサイトに来てもらうための「仕組み」なんです。仕組みですから、これはシステムであって人によるバラツキが原理的にないんです、一度構築された仕組みについてはね。