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飲み会の席じゃダメ。世代間のギャップを埋めるカンタンな方法

企業規模に関わらず、若手と古株社員たちの間にすきま風が吹いているという会社は意外と多いようです。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントとして活躍する中久保浩平さんが、そんな世代間のギャップや思い込みを解消し、社員同士の絆を深める具体的な方法を紹介しています。

対話をする

現在の新社会人若手社員は、

なんてことが言われたりします。そして「ゆとり世代だから仕方がない」とか、「自分達と受けてきた教育が違うから自分達が先輩から教わったように指導しても全然思うようにいかない」という嘆きにも似た愚痴なんかも実際よく聞かれます。さらに「時代が違うし仕方ないか」と諦めムードの経営者や管理職は非常に多くいます。

しかしながら「自分達とは受けた教育が違うから」とか、「時代が変わったから」などと思い込み、こちらの話は理解してくれないだろう、と卑屈になる必要などまったくありません。卑屈になって、腫れ物に触るような接し方をすれば余計にコミュニケーションは上手くいきません。

では、どうやってコミュニケーションをとると指導や教育は上手くいくでしょうか?

それは「自分の仕事」に対する思いや価値観、やりがい、「経営理念」に対しての自分自身の考えなど、仕事や会社にまつわることについて「語らう場」を作ることです。そのために、まず働くことの価値観に自分自身で向き合う(認識する・積極的に意識する)こと、他人との価値観の違いをお互いに認めることが必要です。その上でより良い組織づくり・目的達成のためにお互いの価値観を擦り合わせ「共通の思い」という価値観を新たに構築していく取り組みを行うのです。

実際には、進行役を決め、時間を決めて1人1人が思いを語り、ホワイトボードなどにキーワードを連ねていき、そこから共通点の多いキーワードや、重要と成り得るキーワードを元にデイスカッションを重ねるというイメージです。この過程で徐々にではありますが、まとまりが感じられてくるはずです。それが実感できてくれば組織は今より強い組織になってきます

と、こういう話をすると、語らうのであれば「飲みの席で」という方も多いのですが、飲んでストレス解消! で終わり、というパターンが少なくありません。それは、一時の快楽であり、仕事と向き合うとは、ズレているから、建設的ではありません

だからといって、いきなり「さぁ! 語ろう!」と言っても難しいと感じることもあるでしょう。手始めとして、朝の朝礼時や定期的なミーティングでも構いませんので、飲食を抜きにして、まずは、その場を作ることです。

基本は、会社のルール、基準に則り意見を、交わすことですが、会社によっては、基本マニュアルや行動規則、業務規則などのルールがあるでしょう。それらを題材にして、ニーズや地域、時代に対応できているか、個々にルールに則り業務を行っているかなどを話し合ったり、個々が日々の業務での成功体験や失敗体験を発表し、そこから対話していくこともアリです。互いの発表の中で共有し認め合うことが重要となります。

ただ、注意していただきたいことは「会話」ではなくあくまでも「対話」をすることです。これらは似ているようで全くその性質は違います。

「会話」とは、普段の生活において、言葉を通して、お互い気持ちを交わしたり、何かしら用を足したりするための話のやりとりのことです。朝起きて「おはよう」と声をかけたり、ご飯を食べるときに「いただきます」と言うのも会話の一種です。

しかし「対話」は違います。対話とは単なる言葉のやりとりではありません。時には対立も含んだ上で言葉のやりとりをして、何かを生み出すとか何かに繋げる行為を指します。つまり、建設的な話し合いです。

対話する上での重要な点は、自分とは異なる話を聞くということです。職場とは自分と異なる存在の集まりです。ですから「語らう場」を設けて対話を始める際には、「大人の対話の場にする」ということをあらかじめ共通ルールとして認識しておくことが極めて重要です。

なぜなら、幼稚な態度で発言を茶化したり、ただ仕方なくその場にいるだけとか常に相手を非難したり難癖をつける様な態度でいると、建設的でなくなるからです。対話出来る環境ではないのです。対話をするのだから自分の考えや意見に責任をもちましょうよ。お互いに責任をもって話すのだから、真剣に聞きましょう。という事です。こうしたグランドルールがあって、はじめて真の対話が可能になります。

そうはいっても、時には感情的になったり、互いに異なることが大きいことで激論になることもあるかもしれません。しかし、グランドルール内であれば問題ありません。そこからまた新たな対話が生まれます。

対話が出来ている状態とは、相手の話を真剣に聞くことが出来ているということです。ですので相手の話を十分理解する、理解を示すことが可能になります。さらに、それに伴って自分自身の思考もより深まっていきます

真剣に話を聞く」と言うのは、簡単そうで実はなかなか難しいことだったりもします。真剣に聞くには、まず相手に対して関心を持つ向き合う姿勢が必要です。積極的に聞く姿勢も大事になってきます。

例えば、部下が「昨日、ものすごく感じの悪いお客様がいて」と話しはじめたとき

「お客様を批判するなんて!」
「また愚痴かよ…」
「私は現場じゃないし関係ないわ」

という気持ちで話を聞くのか、それとも

「どんな問題がおきたのか?」
「なぜそのうように思ったのか?」

という気持ちで聞くかです。

前者の場合だと、最初から話を聞く気がないため、これ以上の対話は期待できません。発表した部下本人も言わなければ良かったと後悔し、今後このような話をするのはやめようと思うかもしれません。そうなれば、仕事の進め方の改善や職場の見直し、会社の風土改善のなどの目を摘んでしまうことになるかもしれません。つまり、改善点を放棄してしまう可能性が大となります。

後者の場合、「そんなことがあったのか。そのとき接客担当は他に誰もいなかったの?」などの問い返しが生まれ対話がどんどん展開し進んでいきます。すると、話し始めた本人も意識していなかったことが見えてきたりそこにいるメンバーに新たな思考や発想を与えるなど、そこからいろいろな可能性が見出されてきます。

ですから、仕事にまつわる語らいの場では、会話ではなく対話をするのだという事を十分に意識して進めることが重要です。

■今日のまとめ

『社内で対話する。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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