高いと言われても。スタバが値段を下げてはイケない納得の理由

 

スターバックスといえば、テレビCMなどマス媒体での宣伝広告をせず、店頭をブランド告知の場と捉え、デザイン性の高さと、居心地の良さ、バリスタの方々のおもてなしを、顧客サービスとしてきた。

有名な事業コンセプトの「第3の場所の提供」だ。

ファストフードにおいても、新規顧客を獲得しようとすることは重要だが、顧客単価が低いこともあり、価格での差別化のみでの競争は体力勝負にもなり、ブランドの知覚価値の低下につながる。

その意味でも、既存顧客へのサービスを厚くすることにより、再来店を促していくことが必要なので、このプログラムの実施は、遅きに失した感は否めないものの、正攻法の戦略だと言える。

もう1点、顧客満足度が下がっている、ということに関して、確かに混んでいるので、入れないこと、座れないことも多いというイメージはある。

一方で、私も開始当日に、朝一番でスターバックスに立ち寄り、いつも通り、コーヒーを注文した。

その際の店員さんの、このスターバックスリワードの説明は、シンプルで明瞭、いつもの笑顔での対応で、ファストフードとは思えない対応だった。

この点を考えた上で、未だにスターバックスの顧客親密度は高そうだ。

前述にあったような、リサーチというのは、顧客または顧客候補に「聞くこと」なので、顧客が感じていることの返答が返って来る。企業側としては、サービスの改善に取り組むべきだ。

しかし、100%リサーチ結果を盲信する必要がないことも事実である。

その意味で、スターバックスにおいては、先述のサービスを中心に据え、間違っても、価格が高いからという声に対し、値段を下げるという選択肢を取らないようにすることが重要なのだ。

逆の言い方をするとすれば、高いという調査結果が出たとしたら、他者との比較での相対的な値段の高さ、と捉えるのではなく、「現段階での第3の場所の提供が、値段に見合っていないと感じられている」と捉え、従業員サービスの向上や、混雑の緩和などの施策で対応すべきであろう。

その意味も踏まえて、これからの、スターバックスリワードに期待したい。

image by: BestStockFoto / Shutterstock.com

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