近年、「親が反対している」という理由だけで内定を辞退する新卒者が多いのだそうです。そんな事態を避けるため、企業サイドにとって「親が入社を了承しているのかの確認」、つまり「オヤカク」が必須なのだとか。「なんだかなぁ」なんて思ってしまう方も多いと思いますが、無料メルマガ『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』では「むしろ自社のファンを増やすチャンス」と説きます。
新卒採用は親の対応もしっかりと
新卒採用において「オヤカク」という言葉がよく聞かれるようになりました。その言葉の意味は「内定を出した学生の両親が入社を了承しているかの確認をすること」です。それを省略して「オヤ(親)カク(確)」と言います。
この言葉が使われるようになった背景には「親の了承が得られない」ということだけが原因で内定を辞退されてしまうケースが増えているという現状があります。それだけ、採用において親の存在が大きくなっているということです。
会社によっては、内定者の親向けに
- 会社説明会
- 食事会、懇親会
- 親同伴の内定式、入社式
などを行っているところも増えてきています。
みなさんの中には
「親が過保護すぎる」
「そんな親離れできていない学生はいらない」
と考えるひともいるかも知れません。確かに「自分の仕事を自分自身で決められないのか」と考える気持ちは私もわかります。大卒であれば、20歳を越えているわけで立派な大人ですからね。
ただ、現実にはそうは言っていられないほど「親に相談してから」という学生が増えているのです。それであれば、こちらがそれに合わせていくしかありません。
ただ、実際に行うのは上記のような会社説明会や懇親会ほどの大掛かりなイベントである必要はありません。会社案内や説明資料を親宛に送るだけでも(さらに手書きの手紙を付けたりとか)一定の効果はあります。
また、親にも納得してもらうことの効果は内定辞退を防ぐことだけではありません。それだけ自社のファンを増やす事にもつながります。
会社にとってはチャンスでもあるのです。
親の反応で、その結果が大きく分かれたことがあります。それは、ある新入社員が2名(どちらも新卒)が同時に退職希望を言い出してきたときのことです。
辞めさせてしまうにはもったいない社員でしたので私がそれぞれ面談をして、退職を思い留まるように話をしました。
その結果、少し考えるための時間が欲しいとのことでしたので翌週にまた面談をするということでとりあえず話を終えました。
翌週、面談をすると、1人は残念ながら退職、もう1人はもう少し頑張ってみるということになりました。同じような時期に、同じような内容で面談をしたのですが結果は全く逆になりました。
では、この違いは何だったかというと、それは親の反応だったのです。
退職になった社員は、親に「無理をする事は無いよ。自分のしたいようにしなさい」と言われたそうです。
では、もう一方の社員はどうだったか?
それは、「せっかく採用していただいた会社なのに何を言っているんだ。しっかり仕事ができるようになるまで頑張りなさい」だったそうです。
これは、どちらの親が良いか悪いかという話ではありません。
入社後の社員にとっても親(もう少し大きな意味で言うと家族)の影響はとても大きいということです。家族に応援してもらえれば社員のモチベーションにもなりますし、その逆もしかりです。
家族のイベントの日を特別休暇にしたり既婚者の社員のパートナー(夫または妻)の誕生日に贈り物をしたりする会社があるのもその効果を狙ってのことです。
みなさんの会社はいかがですか?
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『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』
人事歴11年、1200人以上の採用に関わってきた元人事担当で現在は人事コンサルティングを行っている著者が、採用を成功に導く情報をお届けします。「理想論だけでは採用はできない」実際の実務担当者ならではの経験談も交えて、お伝えします。
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