MAG2 NEWS MENU

これほど外交が良好なのに、それでも選挙で日本をリセットすべきか

先日掲載の「なぜ『外国人参政権』を認めると、沖縄が中国に編入されるのか」では、外国人参政権導入の危険性を理解している小池百合子氏を高く評価した、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者にして、ロシア在住で長年国際政治をウォッチしてきた国際関係研究者の北野幸伯さん。しかし、外交・経済政策等をトータルで見るとやはり「安倍続投」が望ましいと言い切ります。北野さんはその理由を民主党政権時代の失敗などを振り返りながら解説、さらに「理想の選挙結果」についても記しています。

日本は、「リセット」すべきなのか?

衆議院選が10日、公示されました。投票は22日。注目は、自民党と希望の党ですね。希望の党には、良いところもあります。まず、消費税引き上げに反対している。外国人参政権に反対している。

しかし、全体的に見ると、私はやはり安倍続投を願っています。小池さんは、希望の党を立ち上げるにあたって、「日本をリセットする!」と宣言しました。今の日本は、「リセット」しなければならないほど、ひどい状況なのでしょうか?

日本は、北朝鮮以外の国々と良好な関係にある

皆さん、思い出してください。安倍総理の前は、民主党の首相が3人続きました。「トラスト・ミー」の鳩山さんは、日米関係をボロボロにした。そう、鳩山さんと小沢さんのコンビは、「反米親中だった」のです。

ところが、鳩山さんの次の次に総理になった野田さん。この方は、中国との関係を「戦後最悪」にしました私は、「尖閣国有化」には賛成です。しかし、「事実として」、野田政権は、日中関係を「戦後最悪」にした。そう、民主党政権は、極めてわずかな期間で、「日米関係」「日中関係を最悪にした

ちなみに思い出していただければわかりますが、日ロ関係も日韓関係も極めて悪かった。そんな民主党は、民進党と名をかえ、今は希望の党に引っ越ししています。

既述のように、小池さんにはいいところもありますが、「ほとんど元民進党の新党に政権を任せられますか? 私は、「そんなリスクは犯したくない」と思います。

さて、2012年、民主党政権のせいで日本は「四面楚歌状態」でした。しかし、安倍総理は、悪化した諸外国との関係を徐々に改善させてきた。2015年4月、安倍総理は、「希望の同盟演説」をした。オバマさんは、「歴史的訪問に感謝する。両国関係がこれほど良かったことはかつてなかった!」とツイートしました。そして総理は、トランプさんとも強固な関係を築いている。

2015年12月、慰安婦日韓合意によって、日韓関係は、かなり改善されました。この合意は、賛否両論で、確かに問題も多いですが…。2016年12月、プーチンが訪日し、日ロ関係は、劇的に改善されました。

このように、安倍総理は米ロ韓との関係を改善させた。それで、中国は動けなくなり、日中関係も少しずつ良くなってきています

その他、日本はインド、イギリス、オーストラリアと「準同盟」と呼べる関係にある。EUや東南アジアとの関係も良好。このように日本は、世界の国々(北朝鮮以外)といい関係にある。「リセットする必要があるでしょうか? もちろんないですね。

経済は?

もう一つ、経済はどうでしょうか?

一番顕著なのは、「雇用の回復」です。日本の失業率は、民主党政権最後の年2012年4.33%だった。それが、今では2.8%まで下がっています。

8月の完全失業率2.8%…3か月連続で同水準

読売新聞 9/29(金)8:48配信

 

総務省が29日午前発表した労働力調査によると、8月の完全失業率(季節調整値)は2.8%で、3か月連続で同水準となった。完全失業者数は前月比4万人減の186万人。就業者数は20万人増の6,565万人で、同省は「雇用情勢は着実に改善している」と分析している。

有効求人倍率はバブル期を上回っています。日経新聞8月29日から。

厚生労働省が29日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.01ポイント高い1.52倍だった。上昇は5カ月連続。製造業や運輸業の求人が活発だった。総務省が同日発表した7月の完全失業率(同)は2.8%と6月と同じで、女性の失業率が24年2カ月ぶりの低い水準だった。景気回復と人手不足を受け、雇用環境は安定した状況が続いている。

 

有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人当たり何件の求人があるかを示す。7月はバブル期に最も高かった1.46倍より高く、1974年2月以来43年5カ月ぶりの高水準だった。

こういう話をすると、「そんなこといっても、非正規ばかりだろ!」と批判されます。しかし、考えてみてください。三つの立場がある。

失業者が、いきなり正社員になれないのは、普通ではないでしょうか? しかし、労働市場は今、需要(会社が雇いたい人の数)が供給(仕事を探している人の数)を上回っている。この状態が続けば、いずれ給料も上がり正社員の募集も増えていくことでしょう。

日本経済の問題は?

問題は、毎回書いているように、19年10月の「消費税引き上げ」ですね。これで、せっかく良くなってきたばかりの景気が落ち込むことは不可避。さらに2020年には、「五輪バブルがはじけるのは確実。「五輪バブル崩壊」は仕方ないですが、消費税は引き上げるのをやめるだけで済みます。

安倍総理には是非考え直していただきたい。そして、小池さんには、是非がんばっていただきたい。

理想の結果は?

そうはいっても、日本をリセットするのはもったいなさすぎです。私は日々世界情勢を追っていますが、日本ほどいい状態の国はありません。ですから、私は「日本のリセット」を望みません。ということで、今回の選挙、理想の結果は、

具体的に「どこの党が何議席」とは言いませんが、結果的に

両方実現できれば理想的と言えるでしょう。

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け