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14歳から成人までの男の子に必要なのは、父親でも母親でもない

女の子と違い、男の子の子育ては母親にとって初めてのことだらけで驚きの毎日。「子育ては母親の仕事だ」と思っているお父さんはまだ多いのかもしれませんが、実は男の子の子育てで父親の存在が一番重要になってくる時期、そして父親でも母親でもない人物が最も重要になる時期があるということをご存知ですか? メルマガ『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』から、年齢別で見る男の子の理想的な育て方をご紹介します。

理想的な「男の子の育て方」とは?

よく男の子の子育て中のおかあさんたちから、

男の子は育てるのが大変

乱暴困る

女の子と育て方が全然違う

「どう接していいかわからない」

「もう少し父親が関わってくれるといいのに…」

「やんちゃで可愛かったのに、今じゃ、口もきいてくれない

などなどと耳にします。母親にとって異性の子育ては、驚きと発見と困惑と楽しさが混じり合って、女の子を育てるより、むずかしさを感じるようです。

もちろん、ベテランのおかあさんなら、そんなことはないと思いますが、最初からベテランさんではないですからね。

そこで、今回の話は「男の子の育て方」です。しかも理想的な(笑)。

ですから、もちろん、こうしろなどいうつもりは毛頭ありません。ただ、男の子の場合は、こんな段階が必要らしいと整理でき、知っていただけたら幸いです。読んで納得できることも多いと思います。

子育てが一段落ついた方も、自分はこうしてもらえなかった、今からでは遅いと思われる方もおられると思いますが、これから何かに役立てるために、読んでいただきたいと思います。

さて、今回のキーワードは、

【男の子は…】ある日突然はない

【女の子は…】ある日突然がくる

今回も、参考にしていただけると幸いです。<(_ _)>

男の子が「一人前の男」になるために重要な3段階

今回は、以下の本の話と、男の子のおかあさんたちにもヒヤリングした内容とその他、何冊かの本からとなっております。

出典名: 男の子って、どうしてこうなの?
著者: スティーヴ・ビダルフ

この本の著者は、オーストラリアの心理学者で、子どもの問題を世界各国で調査し、問題解決に取り組んでいる方が書かれた本です。

この本では、いちばんに

男の子は、ある日突然一人前の男性になる、というわけではない

そして、

「男の子は、特定の段階をへて成長していかなければならない」

と、いっています。(※このことは、日本の子育て本でもよく取り上げられています)

「それは女の子も同じなのではないのか?」と思われる方もおられると思いますが、女の子の場合は、以前も書きましたが、

●ある年齢がくれば、ある日突然に、生理が始まり、女性として意識する日がくる
●またその先で、出産をすれば、母親として意識が芽生える
●さらにその先で、生理がとまり、女性としての意識は一段落を迎える

これらは、目に見えるはっきりとした形でやってくるので、女性は自らの身体で、特定の段階を経ていくことができ、そしてそれを必然的に受け入れていかざるをえません。否応なしに…です。

ところが、男性の場合は、このようにはっきりとした線引きがなく、「否応なしに男になる」という身体のつくりにはなっていないのです。身体的な変化はあれども、目に見える形では。

ですから、男の子が大人に変わっていくときにも、外からの特定の段階を意識的に取り入れることが必要だといわれているのです。

さて、「一人前の男」になるために重要な3段階とは、この3時期です。

1)誕生~6歳まで……子ども時期

2)6歳~14歳まで…少年時期

3)14歳~成人まで…少年~大人に向かう時期

それぞれの時期に、必要な人がいて、必要なことが違ってくるということです。ちなみに、3段階で最重要必要人物は、以下です。

1)誕生~6歳まで ……母親(もしくはそれに変わる人物)

2)6歳~14歳まで ……父親(     〃      )

3)14歳~成人まで……信頼できる親以外の同性の大人

もちろん、それぞれの時期に、他の人物が不要というわけではなく、前面に出てくる最重要人物という意味です。

では、その段階で必要なことが何かをみていきましょう。

母親が最重要の時期

1)誕生~6歳まで

基盤となる「ハードをつくりあげる」時期

最重要人物…母親(もしくはそれに変わる人物、以下母親で統一)

母親、または傍らにいる人からを得て、自分の存在基盤をつくりあげていく時期。

《この段階で特に大切なこと》

◎深い愛情と安心感を与え、子どもを温かく迎え入れてやること

◎少なくとも一人の人間と特別な絆を結ぶこと

《こうするといいこと》

一対一でよく話しかけること

脳の言語能力の発達を促し、社交的になるために、話しかけは男の子にとってとても大切。

母親は、たっぷりと抱きしめてあげる

男の子は、この時期しか、おおっぴらに母親に甘えることはできないので、この時期に肌の触れあいのある関係づくりが大切。

男の子は女の子より、母親から離されるのを恐怖に感じ、母親の興味や愛をひくために、泣いたり、むずかったり、うるさくしたりします。それは、この時期の母親の愛がとても必要だから。この辺りをわかってあげて、たっぷりと抱きしめてあげましょう。

父親は、触れあいのある遊びをする

高い高いや、簡単なボール遊びなど、遊びの中で、できるだけ子どもに触れながら遊ぶこと。

ただし、こんなところに注意が必要とか。

父親は、男の子と遊ぶとき、母親より活発で、興奮させることが多いそうです。ですから、興奮させたらその後、落ち着かせることや、静かなこと(本を読んだり)慰めたり、譲ったり、やさしさなどもしめしながら、興奮で終わらせないことが大切だそうです。

父親は、母親に愛情をかける

なんといっても、母親に愛情をかけて、母親を安心させることが大切。また、子育てを母親一人にまかせず、子育てをいっしょにしていくこともうんと大切。

とにかく、誕生~6歳までの時期は、「たっぷり抱きしめ、たっぷり遊ぶ」ことがいいようです。この時期は、とても短いですしね。

さて、この1)段階で、愛情をかけてあげるのは、両親共に、母性本能も強い時ですので、それほど意識的にしなくても済みます。

しかしながら、2)の頃になってくると、意識的に「育てる」という意識が必要になってきます。

男の子も、少しばかり「男」意識が出てきますから、母親に反抗的になったり、父親のことを意識するようにもなります。つまり、父親の存在がクローズアップされてくるのですね。

この時期は「父親の出番!」です。父親の存在感を出していきましょう~

父親が出番となる時期

2)6歳~14歳まで

基本ソフトをダウンロード」する時期

最重要人物…父親(もしくはそれに変わる人物、以下父親で統一)

子どもが内的な衝動を感じ、男性的な特徴が急激に出始め、男になることを学びはじめ、父親から学ぼうとする時期。

また、興味や活動の範囲を拡げるために父親に目を向け、父親や父親の代わりになる男性に興味を示し、いっしょにいたがり、彼らのすることを真似したり、教わったりしたがる。傍らにいる男性から、お手本となる、知恵となることを学び、一人前の男になる方法を学ぼうとする時期。

この時期に、父親が、この欲求を無視すると、父親の興味を引きたいという問題行動を起こすこともあるので、この時期は、特に父親がしっかりと受け止めることが特に大切。

《この段階で特に大切なこと》

◎さまざまな事態に対応する能力と技術を身につけること

◎親切心や陽気さを養い、バランスのとれた人間になること

《覚えていくこと》

◎自分を抑えることを学ぶこと

《こうするといいこと》

父親は、子どもと過ごす時間を積極的につくる

裏庭で遊ぶ、キャッチボール、散歩、いっしょに何かを作る、自分の子ども時代について話すなど、楽しい時間をいっしょに過ごすことが大切。これは、親も子も財産になるそうですよ~。

ただし、このとき、過度に競争意識を煽らない、暴力をふるわない、怒鳴らない、冷静さを保つことが大切。それにより、抑えること、そうしないことを学びますから。

父親は、積極的に話しかける

仮に、「うるさい」などとクールに反応されても、根気よく話しかけ、愛情を表していくこと、また、議論や話し合いなどをしていくことも大切。これが、人とのコミュニケーションの基礎となっていくから。

母親に、まかせきりにしない

この時期は、父親の存在が大きいことを自覚し、重要な決定には参加し、宿題をみたり、いっしょに家事手伝いをしたりすることが大切。母親を、子育てで孤立させないようにしていくこと、みんなでやっていくこと、家族内での自分の役割などを覚えていくから。

母親は、見守り、支える

自分の息子と父親を信じて、温かく見守る。クールになってきても声をかけ続け、温かく楽しく見守ること。いいところを誉めていくと、才能が花開くかも…

6歳~14歳までの時期は、父親が「積極的に、息子と関わること」が、大切ということですね。

では、「シングルマザーはどうすればいいのか?」ですが、この時期は、

「叔父や友人、学校の先生、スポーツのコーチ、若者の指導者などなど、よい男性の役割モデルを見いだし、その助けを借りる」といいようです。

もちろん、人選の大変さはあるようですが、よき大人の男性の力を借りることは、重要だそうです。また、たいへんな子育てをしているので、自分をいたわる時間、自分のための時間もとることが大切だそうです。

さて、この時期に父親のいいところを見せたら、次は他の人に任せていきましょう~

大人の男になることを学ぶ時期

3)14歳~成人まで

「外で活用できる応用ソフトをダウンロード」していく時期

最重要人物…信頼できる親以外の同性の大人助言者尊敬できる大人(生きていくための知恵や一人前の男になる教えをもらう)

親から離れて、大人の世界に入りつつあり、どのように生きていこうか、必死で模索していく時期。

親に言えないことを話せたり、親に相談できないことを相談できる同性のよき大人の存在が必要となる。

《この段階で特に大切なこと》

◎視野を、家族から地域社会へと向けること

◎自分の中の葛藤や人生の問題の答えを見いだし、新たなチャレンジや冒険に乗り出していくための能力を得ていくこと

◎同世代の仲間だけで過ごすのではなく、大人と接触し、大人の知恵、助けを借りて学んでいくこと

《こうするといいこと》

◎親は、信頼できる、よき大人と出会えるようにする

親の言うことに耳をかさなくなるので、それに変わる人物、少年を導いてくれる人物と出会えるようにすること。また、見つける手助けをすること、その出会いを邪魔しないこと。

※親以外によき大人の友人がひとりでもいれば、若者が犯罪を犯す確率は大幅に減るという調査報告もあるそうです。

◎熱中できることをさせる

この頃、少年はうちからの力がわきあがってくるので、少年の情熱や精神を奮い立たせるような、創造的で熱中できるものをさせることが大切。これが見つからないと、少年のエネルギーは、行き場所に迷い、危険な遊び、飲酒、ドラッグ、犯罪行為に走る可能性もあるから。

◎親は、見守る

この時期は、男性ホルモンのテストステロンが急激に増え、自分でも抑えがきかず、やや理屈っぽく、落ち着きがなく不機嫌になりがちですが、それは悪い方に向かっているからではなく、新しい自分に生まれ変わろうとしているからでもあるので、その態度に左右されず、温かく見守ることが大切。また、一人の大人として扱うこと。

◎思春期の少年たちは放っておかない

これがいちばん大事! この時期の少年は、いちばん危なっかしい時期でもあるので。どの方向へ向かうか、分かれ道となることが多いので「もう手に負えない」と放っておかず、できるだけ接点を持つようにしていくことが大切。叱るときには、しっかり叱る、悪いことは悪いと教えること、しかしながら子どもが自分で決めたことにはうるさく口出ししないこと。

14歳~成人までの時期は、少年から脱皮して、大人の世界に飛び立つ準備期間でもあるので、いろいろなチャレンジや冒険をすることもありますが、はらはらしつつも応援し支えることが大切なようですね。

という3段階でしたが、現実的にはなかなかむずかしいことでもありますよね。家族のありようが変化してきていると同時に、3段階を経ていく余裕がない場合も多いですしね。

しかしながら、男の子は、今回書いた時期には個人差があるかもしれませんが、「男の子→少年→大人」となっていく過程で、

基本のハードをつくり、

基本ソフトダウンロードし、

応用ソフトダウンロードしていく、

という、3段階を経ることが大切らしいと、わかっていただけましたでしょうか?

今回のキーワード

今回のキーワードは、

【男の子は…】ある日突然はない

【女の子は…】ある日突然がくる

男の子の成長は、ある日突然ではなく、段階をへて、一人前の男の大人になっていくのですね。

このようなことから、伝統的な儀式やイニシエーションができあがってきたとも言われており、この3段階は、必要かつ重要なことだと思われます。

私たち大人は、そんな男の子をしっかりと応援し、支えていきましょう~

image by:Shutterstock

 

『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』 より一部抜粋
男女の違いを、様々な年代層への取材などを通じて自ら検証。「105の違い」にまとめました。「105もあるのぉ?」大丈夫です! むずかしいことは書いておりませんし、事例も身近で、読めばきっと、「そうそう」と頷かれることばかりだと思います。楽しみながら読んで、ちょっと実行して……みてくださいね。
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