アジア最貧国に自社工場。日本版マザーテレサが挑む貢献ビジネス

TX170914_2200_PR011
 

おしゃれなカフェにでもいそうな、ひとりのチャーミングな女性。彼女が、途上国を支援する会社の社長だとは誰も想像すらつかないのではないでしょうか。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。今回は、途上国で作られた上質なレザーバッグなどを販売する人気店「マザーハウス」を起業した山口絵理子社長を紹介しています。

軽くて上質なレザーバッグ~人気沸騰のブランド店

横浜・元町。時代を超えてハイカラなファッションを世に送り出してきたこの街に、人気急上昇中の店がある。

去年、表通りに店を構えたマザーハウス横浜元町店。レザーを中心としたオリジナルバッグの店だ。定番とは一味違うデザインが目を引くバッグが並ぶ。

レディースだけでなく、メンズ向けのバッグも豊富に揃っている。洒落た「ビジネストート」(5万9400円)はビジネスマンに人気だ。お客の心を捉えているのは軽くて上質な革。「バックパック」(3万5640円)はベンツのシートにも使われているレザーで、体にフィットすると言う。素材だけでなく、機能性にもこだわりが。一見ショルダーバッグの「ヨゾラ」(3万9960円)は両サイドを引っ張るとリュックになる。

マザーハウスがあるのは首都圏だけではない。去年、名古屋にオープンした名古屋星が丘テラス店では、中を走り回っている女性が。彼女に握手を求めるお客も。なんとカバンにサインまでせがまれていた。マザーハウス社長山口絵理子(36歳)だ。

マザーハウスのバッグはバングラデシュ製。マザーハウスはただ物を売るのではなく、途上国と向き合いたいという山口の思いから始まった会社だ。「1ドル、2ドルのものを大量に作るのではなく、途上国から世界に通用するブランドを作りたい」と言う。

マザーハウスの本社は東京都台東区にある。創業11年で社員は140人。この5年で急成長を遂げ、現在、全国に22店舗、台湾と香港にも6店舗を展開。出店攻勢を続けている。

この日、山口は本社近くのサンプルルームでデザインに没頭していた。山口はマザーハウス唯一のデザイナーでもある。これまで商品化した全てのバッグは彼女が手がけた。  

そのやり方は、デザイン画ではなく模型のようだ。まるで工作のように紙を組み立てて、立体的に作っている。

「デザイン画だと革職人に『難しい』のひと言で終わらせられちゃうんです。実際に紙で作ればできるじゃないか、と」(山口)

できた模型で打ち合わせが始まった。打ち合わせの相手はバングラデシュから来日中のモルシェド。紙の模型を、革のサンプルに起こす職人だ。「彼女はバングラデシュ人の考え方をよく理解してくれているんだ。だから仕事がとてもやりやすいよ」と言う。

print
いま読まれてます

  • アジア最貧国に自社工場。日本版マザーテレサが挑む貢献ビジネス
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け