iPhoneを生み出せなかった日本企業の「しくじり」を中島聡が分析

 

ありきたりの「調査→企画→承認→仕様→設計→実装」ではイノベーションを起こせないとしたら、どんなプロセスがイノベーションに適しているのでしょうか?

私は、そもそもこんなシーケンシャルなプロセスではイノベーションは起こせないと思っています。WHAT や HOW ではなく、WHY からスタートし、情熱的に不可能を可能にするような人々を育てる環境を作る必要があるのです。

つまり、そこにいる人たちが競って試作品を作るような場を作るのです。そしてその中から、目利きの人がダイヤの原石を見つけ出して投資して育てる(=商品化する)、それがイノベーションの正しい起こし方だと私は思います。

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ちなみに、これを一企業の中でやることはとても難しいのは事実です。特に大企業は、守らなければならないもの(現状の売り上げや顧客)がたくさんあるため、こんな手法はなかなか取れないのです。

それを社会全体で解決しているのが、シリコンバレーを中心とした米国のベンチャー市場なのです。それぞれのベンチャー企業に熱いビジョンを持った創業者がおり、彼らが作ったものの中から、大きな可能性のあるものだけに目利きの投資家が資金を投入して育てる、そんな環境が米国にはあるのです。

image by: Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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【著者】 中島聡 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 火曜日(年末年始を除く) 発行予定

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