米中で28兆円、トランプと習近平に「取り引き」を呑ませたのは誰?

 

要するに「北朝鮮問題」については「抜け道つきの緩慢な封じ込め」と「東アジアの冷戦状態の維持」ということで、それが米国の国益を最大化するという判断です。

そして、何よりもこれは、トランプと習近平のディール」という性格が強いと思われます。これによって、習近平は「新時代の安定」を確保し、トランプは「北朝鮮問題は習近平とディールして解決させる」という選挙公約を成就させた格好になるのです。

そのような「面倒だが、極めて利己的な結論」を、このトランプ政権というのは計算したという理解ができますが、では、果たして一体誰がこんな「高級な」ことを思いついてやってのけているのでしょうか?

アメリカ国内の報道からは、ジョン・F・ケリー首席補佐官が軸になっているというのですが、どうもそうらしいのです。ケリーと、マクマスター安保補佐官、マティス国防長官、更にはティラーソン国務長官といった実務閣僚の合議で仕事が回っているのであって、大統領のツイートは単なる飾り物という実態が機能しはじめている、とりあえずはそう見ておくしかなさそうです。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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