目指すは、「アメリカ中心」の「対中バランシング同盟」
この前も書きました。アメリカ、インド、オーストラリアは、「インド太平洋戦略」に同意しています。しかし、これらの国々の首脳は、「反中と親中」の間で、ゆらゆらしている。
トランプさんは、「私は、彼が大好きだ!」「彼は、毛沢東よりも偉大だ!」などと、習近平を大絶賛しています。モディさんは、日米といい関係を保っている。その一方で、インドは2015年、中国、ロシアが主導する「反米の砦」=「上海協力機構」(SCO)の正式加盟国になった。オーストラリアのターンブル首相は、「親中」です。
他国がこんな感じなのに、日本だけが反中でガンガン攻めれば、孤立します。トランプ、モディ、ターンブル「ちょっと安倍さん、そんなにマジにならないでよ!」「俺たちは、中国と金儲けもしたいんですからね!」と。
では、どうするか? トランプさんに「インド太平洋戦略」を主導してもらえばいい。トランプが、「インド太平洋戦略、ガンガンいくぜ!」と言ったら、安倍さんは、「そうだ、そうだ!」。トランプが、「やっぱ、北朝鮮問題で習近平の協力がほしいからインド太平洋戦略、お休みね!」と言ったら、安倍さんは、「そうだ!そうだ!」。これなら、
- トランプさんは、「インド太平洋戦略」を主導する立場なので、プライドが満たされる。
- 安倍さんは、戦略を主導していないので、中国の憎悪と反撃を受けなくてすむ。
というわけで、ティラーソンさんが、勝手に「インド太平洋戦略」という用語を使ったら、「いいんだ!ドンドン使ってくれ!」というのが正解なのです。