今日本で最も懸念されている「北朝鮮の核兵器使用」ですが、混乱を極める中東でも「核戦争」の可能性がささやかれ始めています。メルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんは、新約聖書の中で預言書的な側面をもつ、ヨハネの黙示録に書かれている「第七の封印」が中東での核戦争であることを指摘。この預言と現実の状況が一致しつつあり、中東核戦争が現実のものとなり得る理由と可能性について記しています。
サウジの混乱で中東の混乱を誘発か
サウジアラビアの王室継承問題で、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)が、汚職摘発を名目に政敵を排除し、イランなどへの強硬姿勢をとる。これは中東混乱の可能性が出てきた。
背景
ヨハネの黙示録では、第六の封印である現実化した地球温暖化が解かれると、第七の封印は中東での核戦争ということになる。アルマゲドンはイスラエルにある地名であり、そこに最初の核爆弾が撃ち込まれるというのだ。
核戦争になる第2次朝鮮戦争が早いか、第5次中東核戦争が早いかという状況に、世界は現在あるとみる。
今までは中東のサウジアラビアは超保守的であるが穏健的で、この中東の安定の柱であるとみていた。サウジは一方でスンニ派の武装勢力に秘密裏に資金援助をしていた。しかし、そのアルカイダやISなど武装勢力は、イランの革命防衛隊やシーア派武装組織ヒズボラ、クルド人勢力に負けてしまい、中東での多数派であるスンニ派が劣勢に立たされている。
その状況で、サルマン国王が即位した。即位後、息子の若いサルマン皇太子の熱血漢あふれる国家運営が始まり、イランへの対抗意識と国内政敵に対する苛烈な行動が出てきた。
サルマン皇太子は、王室の超保守的で石油依存のサウジを変え、近代化を推し進めたのであろうが性急すぎるように感じる。イエメンへの侵攻やイランに対して穏健なカタールとの断交など、シーア派イランへの対抗を試みたが、断交したカタールはイランやトルコが助けて敵陣営になり、イエメンの内戦も解決できずに、戦争が継続している。
このため、サルマン皇太子は、焦っているような感じを受ける。石油価格が50ドル以下であり、国家財政も行き詰まり、今までのような社会保障ができないことは明らかである上に、イエメンでの戦争に莫大な費用が必要になっている。
革命の必要性と反動
その上、石油の富がなくなったと同時に、欧米との関係もおかしくなっている。特にシェールオイルでエネルギーを自立できる米国の保護がなくなるとみているので、安全保障についても自国の防衛を真剣に考える必要になったようである。
また、国民や王族たちは、今までの生活の保障を求めてくるが、それができない現実がある。このため、上からの革命を仕掛けたようである。
その方法として、中国の習近平国家主席が用いた汚職取り締まりを用いた政敵排除を行なったようである。
しかし、王族を汚職の容疑で多数拘束して、その資産を奪い開放するようである。これは、中途半端なことになる。解放された王族には、政治力があるので、その政治力を奪わないと混乱のもとになると思う。
国内が混乱すると、イランではないがパーレビ国王の西洋化失敗で、ホメイニ宗教革命が起きたと同じ事がサウジでも起きる可能性が出てくる。近代化に反対する超保守的なワッハーブ派に支持された王族が、政治の実権を握る可能性が出てくる。
中東の混乱に結びつく
国内での政敵排除をしているときに、レバノンのサード・ハリリ首相は、サウジアラビア滞在中に突然辞任を表明した。辞任理由について、ハリリはイランとシーア派武装組織ヒズボラが自分の暗殺を計画しており、家族が危険にさらされているためとした。
シリアにはロシア軍がいて、イラク政府軍は、元シーア派民兵が中心であり、ISが負けたことでサウジの国境までシーア派諸国が接することになっている。
イランを敵対視するのは、サウジアラビアのほかにはイスラエルがあり、そのイスラエル軍のトップ、アイゼンコット参謀総長は、国交のないサウジアラビアのアラビア語のメディア「イーラフ」とのインタビューに応じ、共通の敵国とするイランに対抗するため、「イスラエルは経験や情報を共有する用意がある」と述べて、サウジアラビアに向けて異例とも言える連帯を呼びかけた。
シリアの次に戦場になりそうなのが、スンニ派、シーア派、シーア派武装組織ヒズボラ、キリスト教徒マロン派など敵味方が入り乱れるモザイク国家レバノンであり、シリアに近接しているし、イスラエルが目の敵にしているシーア派武装組織ヒズボラがいるので、イスラルとサウジが組むことで、レバノンでヒズボラを協力して倒すという可能性が出てくる。
しかし、黙示録では、ロシアやイランなど多数の国がイスラエルを取り囲むとなっている。この状況に現在なってきたし、イスラルがサウジと結ぶと、ロシア・トルコとイラン・シリア・ヒズボラなどのシーア派対イスラエル・クルド人とサウジなどのスンニ派という戦いが形成されることになる。しかし、欧米は中立になると思う。
今までは、スンニ派武装勢力のテロ集団と世界の連合という戦いであり、スンニ派対シーア派というような構図では、なかった。
というように、黙示録の描く構図ができることになる。最初にも述べたように第六の封印は現実化して、最後の第七の封印が解かれる可能性が増していると見えるのである。
さあ、どうなりますか?
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