アジア諸国に追い抜かれた日本。なぜ出口が見えてこないのか?

shima20171205
 

今月1日、日経平均株価は一時、2万2,994円31銭の高値をつけ、一部では「このままバブルに突入するのでは?」とも囁かれています。しかし一方で、日銀が目標としている物価の2%上昇は未だ達成されておらず、「好景気」を肌で感じられないというのが現状です。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では著者の嶌さんが、日本がアジア諸国に次々追い抜かれている現状を憂い、「日本はもっと危機感を持つべき」との持論を展開しています。

出口の見つからない日本

アジアの市場お金の流れが大きく変化してきているようだ。流通分野ではネット通販が大膨張し、人々のライフスタイルや既存の小売、百貨店などが伸び悩んだり、駆逐されている。

中国のアリババ集団は、11月11日の「独身の日」セールで1日の取引額が2兆8,000億円を越え、ネット通販の比率は中国消費500兆円のうち15%に達しているという。中国のような広い国土でショッピングを楽しむにはネットで商品と価格を調べ気に入ればスマホで決済するというのが当たり前の世界になってきているのだ。

スマホの決済総額は2012年は0.7兆元だったのに、いまや40兆元に達している。中国の消費ブームはネット通販、スマホを利用して全国に広がっている。ネット通販とスマホ決済は宅配便を急拡大させ、代わって大型店小売りの実売店が閉鎖に追い込まれ、小売店の雇用数減少に歯止めがかからないらしい。

中国のネット通販の牽引はアジア全体の景気を引っ張り株価の上昇にもつながっている。韓国、フィリピン、インドなどでは最高値が続いているし、日本でもバブル崩壊以降では最高値を記録した。といっても日本の場合はバブル期の最高値のまだ半値で、アジアの新興国に比べ元気がない

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