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勝てる経営戦略を立てるために知っておきたい6つのビジネス理論

規模の大小を問わず、企業が成功するためにはしっかりとした経営戦略や経営計画が必要となってきます。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者でコンサルタントの梅本泰則さんが、それらを立てる際に参考となる6つのビジネス理論を紹介しています。

経営戦略に関する6つのビジネス理論

経営戦略や経営計画を立てるとき、参考にすると良い理論が数多くあります。そこで、「環境分析」「戦略決定」「マーケティング」に関する理論の中から代表的なものを6つ、簡単にまとめてみました。まずは、「環境分析」に関する理論です。

SWOT分析

SWOT分析は、経営戦略を考える際、環境を分析するのに便利なツールで、経営コンサルタントにとっては、基本中の基本です。この分析によって、自社の「強みStrength)」「弱みWeakness)」、事業の「機会Opportunity)」「脅威Threat)」を見極めます。

強み弱み」は、自社の組織力、財務体質、製品開発力、技術力、ブランド力、人材、歴史など経営資源に関する分析です。「機会脅威」は、市場の動向、競合他社の戦略、顧客層の変化、今後の景気、国の政策、世界経済など、外部の動きについて分析します。

これらを、4つのマスの中に書き出して整理をしたあとで、強み・弱みを機会・脅威に当てはめて考えるのです。すると、

ということを、考えることができます。

3C分析

3C分析も、経営戦略を考えるための一つの方法です。特に、自社にとっての環境を分析する手法として使われています。この手法は、経営コンサルタントの大前研一氏によって発案されました。日本生まれの方法です。

3Cとは、

の頭文字をとっています。内容を簡単に説明しますと、

というものです。つまり、市場の機会と脅威を分析し競合先と自社の強み弱みをとらえて正しい戦略を考えていこうということですね。自社の戦略を導くために、ポイントを絞って情報を集めると効率的ですので、その方法を示してくれている手法だと言えます。

戦略決定

次は、「戦略決定」に関する理論を2つ。

ポートフォリオ分析

1960年代に米国のボストン・コンサルティンググループ(BCG)が、経営戦略、事業戦略を分析する手法として開発した理論です。「PPM分析」とも呼ばれます。

企業が多角化すると、どの事業分野に重点的に投資をすれば効果的か、見えにくくなってきます。そこで、BCGはその企業の事業分野を「市場の魅力度市場の競争力」という2つの観点から、4つのボックスに分類することを提唱しました。それが、有名な「花形製品」「問題児」「金のなる木」「負け犬」です。この4つに分類したうえで、

として最適な経営判断を行います。とてもシンプルですが使い勝手の良い分析手法として活用されています。

コトラーの競争戦略

「近代マーケティングの父」であるフィリップ・コトラーは、企業がおかれている業界の地位に着目して、4つの競争戦略を提唱しました。その地位は、リーダーチャレンジャーニッチャーフォロワーの4つに分かれます。

リーダーは、量的にも質的にも経営資源に優れている、市場で1位の企業。チャレンジャーは、業界2~4位の企業。ニッチャーは、質は高いが規模は大きくない企業で、フォロワーは、量も質も劣ります。

そして、リーダーがとるべきは「全方位戦略」で、非価格競争で市場を拡大していきます。チャレンジャーは、リーダーとの製品差別化をはかり、下位企業を打ち負かしつつリーダーの地位を奪う戦略です。ニッチャーは、他社がまねのできない分野で集中戦略をとり、特定市場におけるナンバーワンを目指します。フォロワーは、徹底的にリーダーの製品を模倣しながら、低価格戦略で市場での生き残りを図るのが良い、というのがコトラーの説です。

マーケティング理論

最後は、マーケティングに関する理論です。

マーケティングミックス(4P)

経営戦略を作るとき、「何を」「どのように」提供するかを決めます。この「何を・どのように」に当たるのが「製品Product)、価格Price)、流通Place)、プロモーションPromotion)」です。そして、これら4つの組み合わせをマーケティングミックスと言います。

1960年に米国のマーケティング学者E.マッカーシーが唱えました。4つの頭文字をとって「4P」と略されます。つまり、マーケティングミックスとは、4Pのそれぞれにおいてどんな方法を選択していくかという戦略を決めることです。

最近では、4Pは「売り手側の視点」としてとらえられ、「買い手側の視点」として、

の頭文字をとった「4Cを、マーケティングミックスとされることもあります。

ワン・トゥー・ワン・マーケティング

私の大好きな「ワン・トゥー・ワンマーケティング」です。1993年、米国の経営コンサルタント、ドン・ペパーズによって提唱されたマーケティング理論です。

マーケティングとは、「どのようにしたら商品がうまく売れるかという仕組み作り」のことだと言っていいでしょう。そして、ワン・トゥー・ワンとは、文字通り「1対1」のことで、一人一人のお客様に応じた商品やサービスを提供することを意味しています。つまり、大量販売(マス・マーケティング)の対極にある考え方です。現在、大企業といえどもこのワン・トゥー・ワン・マーケティングを理解し実践することが求められています。

ポイントは、お客様を自社や商品のファンにすること、そのお客様に何度も買っていただくこと、IT技術を使ってお客様の分析やコンタクトを図ること、です。

いかがでしょうか。もちろん、この要約だけではよく分からないでしょう。興味のある理論がありましたら、研究してみてください。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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