韓国―北朝鮮は、対話を開始する
1月3日、韓国と北朝鮮の接近は、さらに加速します。
北朝鮮と韓国が約2年ぶりにホットラインで協議
HUFFPOST 1/3(水)18:19配信
北朝鮮と韓国双方の担当者が3日、両国の軍事境界線にある板門店で電話連絡を取った。聯合ニュースなどが伝えた。2月に韓国・平昌で開催される冬季五輪に北朝鮮が代表団を派遣することについて協議をするのが目的。「板門店チャンネル」と呼ばれる直通連絡(ホットライン)が約2年ぶりに再開された形になった。
ホットラインが、2年ぶりに再開されたそうです。動きが迅速ですね。そして…。
北朝鮮と韓国の融和に向けた動きは、ついに米韓関係に影響を与えはじめました。なんと、米韓は、「軍事演習延期」で合意したのです。
米韓、平昌五輪中の軍事演習延期で合意
1/5(金)8:16配信
【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)韓国大統領は4日、電話会談を行い、合同軍事演習を2月の平昌冬季五輪終了後まで延期することで合意した。北朝鮮との緊張緩和に向けた措置とみられる。
新年4日間の動きを見てきました。まとめると、
- 金正恩は、「米本土を攻撃できるICBMを実戦配備した」と宣言。アメリカを脅迫した
- 金正恩は、「平昌五輪に代表団を派遣する準備がある」とし、韓国に和解を呼びかけた
- 文在寅大統領は、これを支持
- ホットラインが2年ぶりに復活した
- 米韓軍事演習の延期が決まった
北朝鮮を守る中ロ
一体、何が起こっているのでしょうか? この問題、対立の構図をはっきり知っておきましょう。皆さん、北朝鮮核問題は、全世界 対 北朝鮮 の問題だと思っていませんか?確かに、「広義」ではそうもいえます。しかし、実をいうと、この問題に直接関わる国は多くありません。本質をいうと、
- 北朝鮮の核兵器を恐れる、アメリカ、日本、韓国
対 - 緩衝国家・北朝鮮を守りたい中国、ロシアと北朝鮮
の争いです。アメリカ、日本、韓国陣営はわかりますね? しかし、中ロが北朝鮮を守りたいのは、なぜでしょうか? 中ロにとって、世界に脅威は一国しかいない。そう、アメリカです。北朝鮮が崩壊し、韓国を中心に朝鮮半島が統一される。すると、中ロの国境にアメリカ軍基地ができるかもしれない。中ロ共、これを避けたいのです。
この「緩衝国家」の話、私は大昔からしています。しかし、これを書くと、必ず「親中派」の方から、「イヤ、中国も北の核には迷惑している。半島の非核化を望んでいますよ!」などとクレームがきます。中国が「北の核に迷惑している」「半島の非核化を望んでいる」どちらもホントのことでしょう。しかし、その切実度は、「核攻撃される可能性がある」アメリカ、日本、韓国とは全然レベルが違います。中ロがはっきり北を守っている証拠もあります。
中露企業、北へ石油精製品密輸網…制裁の抜け穴
読売新聞 1/1(月)6:08配信
【瀋陽=中川孝之、ワシントン=大木聖馬】北朝鮮が石油精製品を公海上で積み替えて密輸している問題で、中国企業がロシア企業からの密輸を手助けしている実態が、読売新聞が入手した契約関連文書から明らかになった。中露朝の密輸ネットワークは、北朝鮮への石油供給を制限する国連安全保障理事会の制裁の大きな抜け穴と言える。日米韓の当局も密輸網の存在を把握しており、監視を強化している。中国企業は、北朝鮮がロシア産の石油精製品を洋上で受け取るタンカーを提供したり、代金決済を仲介したりするなど、ロシアと北朝鮮をつなぐ役割を果たしていた。