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「億り人」も夢じゃない。仮想通貨を始めたい人のための初心者講座

「仮想通貨元年」と言われた2017年ですが、明けて2018年、さて今年は自分も仮想通貨市場で一勝負などと思ったものの、1月16日~17日の大暴落に腰が引けてしまった方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』では、そんな初心者の方にもわかりやすく、「仮想通貨」と「フィンテック」について会話形式で紹介しています。

仮想通貨元年

新米 「最近、OL証券さんが良く来られますが、株か何か持っておられるんですか?」

所長 「いや、昔は、OL証券で株をしていたけれど、この会社では、今はもうやっていないよ」

新米 「じゃぁ、何のご用件で来られているんですか?」

所長 「もちろん、株の営業にも来られているよ。でも、今いちばん進められているのは、ファンドだね」

新米 「ファンドって?」

所長 「ファンドっていってもいろいろあるもんね。要は、投資信託かな」

新米 「ふーん、僕はそういうの一度もかかわったことなくて、どういうものか全くわからないので、作業しながら、今度近くでこっそり話を聞いていても良いですか」

所長 「いいよ、邪魔にならなければね。しっかり雑学を修得してくれよ」

新米 「はい、ありがとうございます」

所長 「私は、すきま時間には、できるだけ営業の人に会うようにしているんだよ」

新米 「え?どういうことですか…」

所長 「君がさっき言ったことと同じだよ。日常出会わない人と話すと自分の外の違う世界の話に出会えるからね。ときどきは、そうしないと世の中知らないことだらけだからね。お客さまと話をするには、日々勉強しておかないとな」

新米 「所長でもそうなんですか~」

所長 「そりゃそうだよ。世の中には、どれだけ知らないことがあふれているか。経営労務以外では、知っていることなんて1%もないだろうね」

新米 「うーーん、そういう意味では、僕なんかもっとってことですよねぇ」

所長 「たとえば、私は仮想通貨には決して手を出すことはないと思っていたのに、どうもそうもいかなくなってきたしね」

新米 「仮想通貨ですか?あのビットコインとかの…?」

所長 「そうなんだよ。顧問先のU社さんが仮想通貨事業に参入するそうだ」

新米 「ビットコインですか?

所長 「いや、ご自分のところでオリジナルを立ち上げされるらしい。シンガポールの取引所の扱いで、もちろんICO予定だそうだ」

新米 「え? 新しい仮想通貨ですか?」

所長 「そういうことだ。新米くん、去年は『仮想通貨元年』だって知ってる?」

新米 「うーーん、なんかニュースでは聞いたように思います」

所長 「仮想通貨元年っていうのは『一般人にも浸透してくる大きなきっかけになる1年目』という意味らしいね。最近は毎日のように仮想通貨関連のニュースが流れているな」

新米 「出川哲朗さんのCMもよく見るようになりました」

所長 「コインチェックのことだね 新米くん、驚いたことに、日本のビットコイン為替市場は現在、世界のビットコイン為替市場シェアの40%以上を保持しているそうだよ」

新米 「え? もうそんなに日本人がかかわっているんですか?」

所長 「私もびっくりしたけどね。そうそう、今、OL証券の担当はOさんっていう新人さんだけどこの間のボーナスでビットコインを買ったって言ってたよ。職場では、ほとんどの人が持っているそうだ。うちとは、まるで別世界だね」

新米 「OL証券さんは、やっぱり進んでますね。ところで、仮想通貨のメリット・デメリットは何ですか?」

所長 「仮想通貨のメリットは、投機の手段と、実際に使用される際のものに分けることができることで、投機手段としては、利率が大きい。ビットコインを取引開始時から1万円持ち続けていた人は、2017年3月時点で2億818万円になっている計算になるんだよ(※この記事は1月10日11時30分に配信されたものです)」

新米 「え~!! そんなにも!?」

所長 「すごいよね。その他のメリットとしては、仮想通貨はインターネット上で取引されるデータであるため、実際の通貨での海外送金などよりは遥かに安く早く送金をすることができる

新米 「確かに」

所長 「また、万一のことだけど、仮想通貨は国をまたいでその価値が共有されているので、国の経済が破綻して国内通貨に価値がなくなった時にも仮想通貨として資産を持っていれば資産を守ることができるといえる。投機の手段でのデメリットには、価値変動が大きいため利益を生むこともあればもちろん、損をしてしまうこともある。最近は仮想通貨の資産運用を建前にした詐欺の被害も多くなっているから気をつけないとな」

新米 「詐欺ですか~、それはコワイですね」

所長 「実は、詐欺じゃなくても怖いこともある。取扱所に自分の仮想通貨の管理を任せていて、その取引所が倒産してしまった場合は、仮想通貨を取り戻せなくなる可能性があるそうだ。仮想通貨は法定通貨として、しっかり守られているものでないということを意識して、アンテナを張っていかないとな」

新米 「え? そういうものなんですか?」

所長 「私もまだ勉強し始めたところだから、詳しくはないけど、やっと仮想通貨に対する規制を盛り込んだ改正資金決済法(通称:仮想通貨法)が施行され、仮想通貨が現金やクレジットカードと並ぶ公的な決済手段として認められたということだ」

新米 「仮想通貨法ですか…」

所長 「三菱UFJフィナンシャル・グループが、自社開発した仮想通貨『MUFGコイン』の一般向け発行やサイバーエージェントが仮想通貨取引所の事業への参入を発表したんだよ」

新米 「大手もどんどん参入しているんですね」

所長 「そうだね。NTT・楽天・リクルート、グーグルやアップル、マイクロソフトといった大企業も投資や、提携などの形で仮想通貨の業界に入ってきているそうだ」

新米 「またまた世の中が変わっていきそうですね」

所長 「『億り人(おくりびと)』っていう人たちも話題にもなってるね。テレビで見てないかい?」

新米 「ビットコインで大儲けした人のことですか?」

所長 「NHKの『クローズアップ現代』でも、仮想通貨の資産運用で1億円以上の利益を得ることに成功した、通称『億り人(おくりびと)』を大きく放映していたね。そこからも仮想通貨への認知が高まったのではないかな」

新米 「1億円か、いいなぁ~。夢のような話ですね」

所長 「宝くじでもなく、現実の話だというから驚きだね」

新米 「新しいことが始まるときは、先に始めた人勝ちですね」

所長 「何でも情報キャッチが大事だということだなぁ。国内仮想通貨取引所であるコインチェックとビットフライヤーは仮想通貨取引による損失(被害)補償を開始したらしい。三井住友海上と連携して国内初の事業者向け賠償責任保険を共同開発したそうだ。銀行と同じように、お金が盗まれた際などの保証ができたり、法整備で国の認可を得た取引所でないと登録ができなくなったということもあって、信頼性が高まってきたことが仮想通貨の急速な流行につながっているんだろうなぁ」

新米 「信頼性っていっても、現金を手にするわけじゃないし、やっぱりまだピンと来ないです」

所長 「私もまだやったことないから同じだよ。でも、これからは、店頭での『モバイル決済』がどんどん増えて行くんだろうね。置いて行かれないようにしないとなぁ。OL証券さんが持って来ている話もフィンテック市場のファンドなんだよ」

新米 「フィンテック? なんですか、それ?」

フィンテック

「仮想通貨元年」から始まった話題。ビットコインやら、出川哲朗さんのCMのコインチェックなど、そんな話題から僕には縁のないフィンテックって言葉まで飛び出した。


新米 「フィンテック? なんですか、それ?」

所長 「フィンテックってどういう意味かってこと? ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つを併せた造語なんだ。日本語だと金融ITとか、金融テクノロジーと略されることもある」

新米 「造語なんですかぁ。ファイナンスとテクノロジーって言われると、なるほどと思いますね。でも、それでもどんなものなのかピンと来ません」

所長 「確かに、わかりにくいかもね。IT技術を使った新たな金融サービスってことさ。フィンテックとして一番有名なのやっぱりはモバイル決済だね。iPhoneやAndroid携帯などに小さな器具を取り付けるだけでクレジットカード決済が出来る、スクエアや楽天スマートペイって、名前は聞いたことあるだろ?」

新米 「モバイル決済は、わかりますけど、器具を取り付けて…っていうのまではまだ…」

所長 「うん、そうだよな。私なんか事務所携帯はスマホにしても、まだガラケーを使っている派もいるくらいだからね。外出先で話すことがメインだからだけど、スマホでもようやくかけ放題が出てきたからやっとそろそろ移行しても良い頃かと思い出したよ」

新米 「所長、今頃遅いですよ~」

所長 「ハハハ…。ガラケーでは恩恵を受けられないアプリを使う練習もそろそろしておかないとダメだなって思ってるしね」

新米 「はい、了解です…(+_+)」

所長 「『財布の中にクレジットカードやキャッシュカードがたくさんあって邪魔だ!』って思っている場合、複数のクレジットカードやキャッシュカードを1枚にまとめることが出来る電子カードなんかもフィンテックの一種だね」

新米 「そういうのもフィンテックっていうんですか」

所長 「LINEやFacebook経由でお金を送金できるようになったり、指紋認証や顔認証だけで店頭での支払いができるようになったり…」

新米 「つまり、現金なしで買い物ができる…」

所長 「そうそう、海外では、街とは言えない、ものすごい辺鄙なところまで進んでいるようだよ」

新米 「え? どういうことですか?」

所長 「道端で野菜などのモノを売っている人がQRコードで決済しているのは、当たり前。極端な例では、物乞いの人がQRコードを張り出して道端に座っていたテレビ番組を見たよ」

新米 「え? モノを売っているんじゃなくて、物乞いの人まで?」

所長 「そう。あれは驚いたね。舗装もされていない路地のような道端で物乞いの人も混じって、いろんなモノ売りの人たちが集まって市場のようにQRコードがズラリと貼り出されていたよ」

新米 「うわぁ、想像できない場面ですね」

所長 「私も初めて見た光景だったよ。日本でフィンテックが進んでいないのは、ATMがいたるところにあって便利すぎるからなんだろうなぁ」

新米 「進んでいることがかえって遅れる理由になっていってるってことですか?」

所長 「そういうことだね。日本はこの部分ではかなり遅れてしまっているようだよ」

新米 「そうですか。QRコードって言うと、今までは『詳しくは、こちら』ってことを伝えたいというイメージでしたが、QRコードで伝える内容も変わってきたってことですね」

所長 「海外では、名刺なんかにも印刷されているようだしね」

新米 「お金の決済が目的でですか?」

所長 「そういうことだね。個人の決済もだし、会社での決済もだろうね。これからは、会社の会計もクラウドと連携していくようだし、経理も家計簿もいらなくなる社会が来るだろうって言われているね」

新米 「え? 会計と連動するんですか?」

所長 「そういうことにもなるらしいよ」

新米 「10年後になくなる仕事ランキング税理士さんが高いのは、そういう理由もあるんですか?」

所長 「IT化、機械化できるものは、人手がいらなくなるものね。銀行を通さなくてもネットでお金のすべてが管理できるようになるなら、想像以上に人が介在しなくて良くなる、ずいぶん省力化になるね」

新米 「そうですけど、セキュリティやら、なんやらいろんな意味で不安ですね」

所長 「パソコンがはいってから、世の中のスピードは変わったけど、今またものすごい勢いで変わっていっている感じがするよ」

新米 「確かに」

所長 「国内で展開されているフィンテックの主要なサービスをあげておこうか」

1.決済・送金サービス

  • LINE Pay
  • 楽天ペイなど

2.会計・経理サービス

法人向けの会計や経理を自動化できるサービス。銀行口座やクレジットカードを登録するだけで、自動的に勘定科目を仕分けされる機能が一般的で、専門知識の無い担当者でも利用できる。

  • freee
  • MFクラウド会計など

3.家計簿・貯蓄サービス

法人向けの会計ソフト同様に、銀行口座情報やクレジットカードを登録する。レシートを写真撮影するだけで家計簿が付けられるサービスもある。

  • Moneytree
  • Zaim

4.投資・資産運用サービス

AI(人工知能)に任せることで自動で資産運用を行ってくれる投資・資産運用サービス。ロボアドバイザーと呼ばれており、自動的に分散投資を行ってくれるのが特徴。

  • Wealth Navi
  • THEO

5.仮想通貨サービス

ビットコインが最も有名な仮想通貨で、取引所で利用することができる

image by: Shutterstock.com

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この日記をお読みくだされば、社労士及び社労士事務所の固いイメージが一変するかもしれません。 新米社労士が日々の業務・社会のルール等に悩み・悪戦苦闘する様子を中心に、笑いあり、涙あり、なるほどありの社労士事務所の日常を、ノンフィクション、フィクションを交えて綴ります。 水曜日のお昼休み、くすっと笑いながら、皆でお楽しみください。

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【著者】 イケダ労務管理事務所 【発行周期】 週刊

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