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これもパワハラ?話題の強制帰宅「ジタハラ」に賛否両論

セクハラ、モラハラ、マタハラ、SOGIハラなど、「○○ハラ」という言葉が世の中に溢れています。それだけ深刻な事例が多いということなのですが、そんな中で「時短ハラスメント(ジタハラ)」という言葉が注目され始めていることはご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』ではそのジタハラを取り上げつつ、急速に進む「働き方改革」の課題について考察しています。

時短ハラスメント(ジタハラ)

昨年末、毎日新聞に「働き方改革の陰で『時短ハラスメント』(ジタハラ)が広がってはいないか」と投げかける記事が掲載され、反響を呼んでいる。

「時短ハラスメント(ジタハラ)」という言葉は、相手の立場を考えず時短を強要しすぎることだと言う。またまた、〇〇ハラスメントの登場だ…! これも一種のパワハラに該当するだろうか…?


新米 「この間、ジタハラっていう言葉に出会ったんですけど…」

大塚 「あぁ、時短ハラスメントのことね。最近、話題になってるわね」

新米 「なんでもかんでもハラスメントって言葉がつくように感じます」

E子 「確かにね…。電通事件があって、今は、国をあげての働き方改革。長時間労働を是正しなければ! と異常に極端な反応を示す職場もたくさんあるわ」

深田GL 「ん、ニュースや新聞など、どこへ行っても『時短』『時短』…だもんなぁ」

新米 「具体的には、ジタハラってどういうのを言うんですか?」

深田GL 「たとえば、現場をよく知らべもしないで、管理や総務などから、『はやく帰れ』『生産性をあげろ』『もっと業務効率化しろ』と口ばっかり先走るってことかな。

新米 「つまり、長時間労働を改善する具体策の提案がないまま頭ごなしに残業をするな』『定時に帰れなどと命令されることってわけですね」

深田GL「そういうことだね」

E子 「この間読んだ記事では、営業の現場を知っている課長のケースがあがっていたわよ。営業部の中でもうちの課が一番残業が少なくなって時短の成果が上がってるでしょと部長に報告するんだけど、部長には、この課長についてジタハラだって告発が来ていて、お前のやり方はハラスメントだ! って注意されてるって内容だったわ」

大塚 「こんな記事も読みました。職場によっては、夜の8時に荷物が届いたり、夜の9時に注文が入ったりすることのあるし、時短なんてできるものではありません。これじゃぁ、単純に時短と言われてもはやく帰宅できないこともあるのです、って」

E子 「え? でもそれは、やり方を変えればいいだけじゃないの?」

大塚 「注文の受付は何時~何時までですとか、荷物の受け取りは、荷物の量にもよるけど、ボックスをつくるなど、そこは宅配便さんもそういう動きが出ているんだから協力してもらえるってことですよね」

新米 「そっかー。現場も変えていかないといけないですよね」

深田GL 「うちの職場のモットーは、『だから、どうする!』だろ。仕事は、なんでも提案型で行かなくちゃな」

E子 「これだけ国をあげて言っているんだから、今ならお客様にもお願いしやすい環境ではあるわね」

新米 「飲食店も深夜営業がなくなって24時間営業がなくなったり…。改革をするなら今ってことですね」

大塚 「そうそう。だから、『働き方改革」』って名前なんでしょ(^^)」

E子 「高橋書店って本屋さんがビジネスパーソンを対象に行った『働き方改革』に関するアンケート調査の結果を発表してるわね。『約4割のビジネスパーソンが時短ハラスメント(ジタハラ)に悩まされている』って言うテーマよ」

深田GL 「『働き方改革』推進の影響で、『ジタハラ』に悩まされるケースは多そうだなぁ」

E子 「このアンケートでは、全体の53.4%が『会社で働き方改革が行われている』と回答。そのうち、41.5%が『働ける時間が短くなったのに業務量が以前のままのため仕事が終わらない』という『時短ハラスメント』に関する悩みを抱えていたという結果ね」

大塚 「高橋書店さんは、アンケートで本業ならではの質問もしてますね。働き方改革を行う人に、業務効率化・生産性の向上のために『紙の手帳が必要か』と尋ねると、74.6%が『必要』と回答。活用法で最も多かったのが、『毎朝紙の手帳でスケジュールやタスクを確認してから1日を始める』(56.4%)だったって結果が出てるわ」

E子 「そのうち、42%が『Googleカレンダー』などのデジタルツールと紙の手帳を併用していて『持ち運びやリマインダーはデジタル』『紙は詳細なタスク管理や日記の役割』などの使い分けをしているそうよ」

新米 「どんな人が調査対象なんですか?」

大塚 「調査対象は、紙の手帳を利用した経験のある20~60代男女のビジネスパーソン730人だって。11月にインターネット調査を実施したそうよ」

深田GL 「ふーん、参考になるなぁ。新米くんも時間管理があんまりうまく言ってない様だから、参考にするといいぞ」

E子 「日報や『Googleカレンダー』をうまく活用するのよ」

新米 「はい、そうします」

大塚 「2ちゃんねるでもいろいろ話題になっているようですね」

E子 「そうよね。どれどれ…」

深田GL 「ははは…さすが2ちゃんねる。言葉の表現が過激だね」

新米 「どんなこと書いてます?」

深田GL「『頭おかしい』『贅沢な悩みだな』『残業するのは仕事が遅い無能だけだろ』『無能アピールしてどうするんやこいつら』『仕事速くてもそれ以上の量振られたら残業なるやろ』『定時で終わらん無能はくたばれってことやからな、そら悩む奴はおるやろ、でもくたばれ』とか、いろいろあるよ」

大塚 「『流行ってるからってなんでもハラスメントハラスメントってアホちゃうか』、これは、確かにそうかも」

深田GL 「他には、『無能社畜奴隷が4割もいるという事実』」

新米 「うーーん、この表現キツイかも…ですね」

大塚 「『残業完全廃止されたら年収100万くらい減るわ』」

E子 「確かに生活費残業代になってる人たちは、時間外手当が減ると痛いでしょうね」

深田GL 「成果出した分は、賞与に還元ってところもあるけどな」

E子 「評価をどうしていくかは課題よね」

深田GL 「『伊藤忠は早朝へ変更されてホワイト企業になってたなw』ってのもある」

E子 「時間外を後ろでなくて前に持って行ったケースね。終わりのない時間外をするよりは良いけど、時間外労働が全くない会社とは違うわね」

「時短ハラスメント」(ジタハラ)とは?(「日本の人事部」から)

「ジタハラ」とは「時短ハラスメント」の略で、残業時間削減のための具体策がないまま、社員に「残業をするな」「定時に帰れ」などと退社を強要することをいいます。長時間労働の見直しは本来、企業が進んで取り組むべき課題です。しかし、そのための施策を講じていないのに退社を強要すれば、持ち帰り残業が増えたり、従業員の士気が下がったりするなど、企業にとってむしろマイナスな結果を招くこともあります。 (2018/1/12掲載)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 イケダ労務管理事務所 【発行周期】 週刊

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