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ビットコイン暴落で大損。税制上の「救済措置」は存在するのか?

今、何かと話題の仮想通貨。「億り人」になれればいいですが、「大損した!」という方も多くいるのも事実です。仮想通貨での儲けは確定申告が原則必要ですが、損失が生じた場合、控除などの救済措置は用意されているのでしょうか? 無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』で、著者で税理士の今村 仁さんが初心者にもわかりやすく解説しています。

仮想通貨と確定申告

昨年1年間で、ビットコインやイーサリアム等のアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)で儲けを得た方は、2/16~3/15までに確定申告が原則必要です。原則と申し上げたのは、サラリーマンの方で、儲けが20万円以下の方については、その他に所得がない場合、確定申告は不要だからです。

所得区分は、一般的には「雑所得」です。

ここで注意点は、仮想通貨の儲けの認識パターンというのは、単に売却をしてキャッシュを得た場合以外にも、下記の場合も該当する点です。

計算例(仮想通貨の売却の場合)

● Question

4月2日2,000,000円(支払手数料を含む)で4ビットコインを購入しました。6月21日0.2ビットコイン(支払手数料を含む)を110,000円で売却しました。

● Answer

保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。上記の場合の所得金額は、次の計算式のとおり、10,000円です。

仮想通貨の分裂はどうなる?

仮想通貨が分裂して2つの通貨になることを、「ハードフォーク」と言いますが、昨年有名だったのが、ビットコインがハードフォークして、「ビットコインキャッシュ」が産まれたことでしょう。

このような場合の税金はどうなるのでしょうか?この場合も、儲け確定と考えて確定申告が必要なのでしょうか?

答えは、「仮想通貨の分裂であるハードフォークをして新たな仮想通貨を取得したとしても、確定申告不要」です。

億り人ではなく損失が生じた方

仮想通貨で億の儲けを得た方を、皮肉ってか、「億り人」と呼びますが、もちろんその逆の方もおられます。

仮想通貨で損失が生じた方には、何か税制上の救済措置があるのでしょうか。例えば、「他の所得と損益通算」とか「損失の来年以後の繰越」とか。

答えは、「税制上の救済措置無し」です。

つまり、仮想通貨での雑所得の金額の計算上生じた損失については、雑所得以外の他の所得と損益通算することはできず損失の繰越もできませんので悪しからず。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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