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願い事が必ず叶うと噂のパワースポット、京都・神泉苑を訪ねる旅

二条城のすぐ南に位置し、かつては空海が祈雨の法を競い、源義経が静御前を見初めた「神泉苑」という場所をご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英学(はなぶさ がく)さんが、必ず願いが叶うパワースポットとしても注目の神泉苑とこの地にまつわる伝説等を紹介しています。

神泉苑

二条城のすぐ近くに位置する神泉苑をご存知でしょうか? 神泉苑は京都を代表するパワースポットとしても注目の観光スポットです。

あの牛若丸こと源義経が静御前と出会った場所としても有名です。一ノ谷の戦いや、屋島の戦い、壇ノ浦の戦いなどを勝利に導き、どんな苦境でも諦めず、戦い続けた義経。その義経が、雨乞いの舞を舞う白拍子の静御前を見初めたのが神泉苑だったのです。

今回は、神泉苑にまつわる伝説などご案内します。

神泉苑は794年の平安遷都とほぼ同じ時期に造営された天皇ゆかりの庭園禁裏)です。江戸時代、徳川家康によってその面積は縮小されましたが、かつては池を中心にかなり広大な庭園でした。家康は二条城造営のため天皇家の禁裏を縮小させたことで当時の京都人からかなり白い目で見られていたとか。秀吉と違って京都では家康はあまり好かれていないのを感じます。そんな神泉苑は、四季折々の行事が催されるなど、主に天皇や公家たちの宴遊の場として栄えてきました。

神泉苑には数多くの伝説が残されていますが、中でも善女龍王伝説が有名です。かつて農業が主流だった頃、庶民の間では穀物の豊作が何よりの願いでした。そのため、雨乞いの儀式が行われるようになったのです。824年、長らく干ばつが続き、朝廷は東寺の空海と西寺の守敏(しゅんびん)に雨乞いを依頼したと伝えられています。

守敏の祈祷で雨は少しだけ降りました。空海が同じく祈祷をすると雨が降ることはありませんでした。なんと、空海を妬んでいた守敏が雨乞いの神・龍神を水瓶に閉じ込めていたというのです。空海は守敏に閉じ込められていなかった唯一の雨乞いの神・善女龍王を呼び寄せました。すると三日間に渡り日本全国に大雨を降らすことができたと伝えられています。それ以来、善女龍王は神泉苑の池に棲みつきました。そして神泉苑の池はどんなに日照りが続いても枯れることはないという伝説になったのです。

このような伝説から神泉苑の池の中島には空海が勧請した善女龍王社があります。

この雨乞い合戦で空海が勝ったことによって東寺は栄え、西寺は廃れていったと言われています。空海がもし負けていたらとっくの昔に東寺はなかったのかもしれないのです。

善女龍王社には朱塗りの太鼓橋・法成橋がかかっています。この場所こそが神泉苑の中で一番ご利益がある人気のパワースポットなのです。

この橋を渡る時に1つだけ心に願い事をしながら善女龍王社へお参りすると、その願いは必ず成就すると言われています。

神泉苑には日本で唯一の「恵方社」があります。恵方社には恵方を司る歳徳神(としとくじん)が祀られています。この社には「秘密」があります。その年の恵方に向かって社殿を動かすことが出来るのです。大晦日の夜に新年の恵方に合わせて社の向きを変えるのです。毎年社殿の向きが変わるなんて斬新ですよね。

神泉苑は街中とは思えないほどの立派な庭園として残っています。龍神パワーあふれる神泉苑へ訪れてみてはいかがでしょう?

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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毎年5,000万人以上の観光客が訪れる京都の魅力を紹介。特にガイドブックには載っていない京都の意外な素顔、魅力を発信しています。京都検定合格を目指している方、京都ファン必見! 京都人も知らない京都の魅力を沢山お伝えしていきます。

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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