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デキの悪い人が上司になったら、常に「砂時計」を思い浮かべよう

部下ができて「これでやっと仕事が早く終わる」と思ったのも束の間、彼らからの相談や質問を受け、その一部を引き受けたりしているうちに、気づけばまたも仕事の山で帰りは終電…。こんな状況から脱するための方法を、無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』の著者で現役弁護士の谷原先生がレクチャーしています。

なぜ仕事は砂時計なのか?

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

時間管理は、基本的に自分自身の時間の使い方を考えることですが、仕事においては、実は「対人関係も見逃せないファクターとなります。たとえば、上司が部下に指示を出して仕事をする場合、上司が自分の時間を使ってもできる仕事を、部下に任せるのが通常だと思います。つまり、部下と関係することが、自分、そして組織全体の時間管理となっています。

上司になると、部下に仕事を譲渡し、コアとなる仕事をすることが求められます。しかし、部下ができたにもかかわらずいっこうに忙しさから解放されない人がいます。むしろ、より一層忙しくなってしまった、という人すらいます。

うまくいかない一つのパターンのは、上司にありながら組織内の仕事をすべて抱え込み自分でやろうとする傾向のある人です。ある種の責任感なのか、「この仕事は自分にしかできない」という固定観念なのか、部下を信頼していないのか、様々な要因があるでしょうが、組織全体でやるべき仕事を抱え込んでは、自分の時間はいくらあっても足りません

部下に仕事を任せた後も、差が出ます。一度指示して仕事を任せても、部下は途中で、質問や相談をしに来ることが多いでしょう。その時の反応を考えてみましょう。

中には、「やっぱり自分がやらなくては」と自分で一から始めてしまうパターン。自分でやったほうが早い場合も多いものですが、これでは、それまで部下が使った時間そして自分の時間と膨大な無駄が発生します。

また、質問や相談を受けてから「じゃあ、ちょっと考えておくよ」と、回答をペンディングするのもよくありません。その時間、部下は仕事を進められなくなり、同時に上司の時間を消費することになり、無駄な時間が発生してしまいます。

ここで、刻一刻と砂が落ちていく砂時計を想像してみてください。この砂時計の砂は与えられた時間です。そして、砂時計を持っている人は、自分の時間が消費されていきます。

仕事を部下に渡す時時間の砂時計を一緒に部下に渡すことになります。それ以降、部下の砂時計の砂がどんどん減っていきますが、上司の砂時計はストップし時間がプールされることになります。そして、他の砂時計を使って、他のより重要な仕事に時間を投下することができます。

ところが、部下が質問や相談に来たときに、「やっぱり自分がやらなくては」と仕事を引き取ってしまうと、同時に砂時計は上司に移り、上司の時間がどんどん減っていくことになります。反面、部下の砂時計はストップし、プールされることになります。これは、無駄なことですね。

また、部下が質問や相談に来たときに、「じゃあ、ちょっと考えておくよ」と、回答をペンディングしまうと、同時に砂時計は上司に移り、上司の時間がどんどん減っていくことになります。反面、部下の砂時計はストップし、プールされることになります。

上司がすべきことは砂時計を部下に早く渡すことです。相談や質問などをされた時は、上司と部下の真ん中に砂時計が置かれます。2人の時間が消費されるということです。この場合、部下にすぐに砂時計を返さなくてはなりません。手取り足取り指導するような指導方法だと、自分が砂時計を手にした状態が続きます。

自分がつきっきりで指導したり、一から十まで答えを教えるのではなく、方法や考え方調べ方などを教え完全に手渡すことがポイントです。そして、部下が砂時計を使って仕事をし、また結果を持って上司のところに来る。その間、上司は他の砂時計を使ってより重要な仕事をする、という状態が望ましい状態だと思います。

組織のメンバーが全員、適切に砂時計を持っている状態が、最も時間効率の良い状態。結果を出す組織のリーダーになるため、時を刻む砂時計を意識しながら、管理の在り方を考えてみましょう。

今回は、ここまでです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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