年金は高齢者だけのモノじゃない。明日は我が身の「障害年金」とは

 

障害年金と聞くと、世間が想像する障害者の方とか障害者手帳を持ってる人じゃないと受けられないと思われがちですが、日常生活上支障をきたすような多くの傷病に対応しています。

初回請求する時の書類に障害手帳お持ち? とおたずねしてる部分はありますが、持ってないからって不利になる事はない。例えば、僕が昔4回くらい患った難病指定の潰瘍性大腸炎とかパッと聞いてそれって障害なの? と疑問符が付くような病気でも対象になる(個人的に結構しんどい病気でしたが… 笑)。

何の病気かという問題よりも、その傷病で日常生活上どのくらいの支障が出ているのかというのが重要視される(もちろん視覚とか聴覚とか臓器の数値異常でOKなのもある)。だから、現代に多い精神疾患のうつ病とか統合失調症とか発達障害は治療が長期になりがちだし、およそ障害年金受給者の70%近くが精神疾患と知的障害で占める。精神疾患も障害っていう感じではないけど、普通に障害年金の対象になる。

さてその障害年金ですが、そういう傷病で働くのが困難になったらすぐ貰えるわけではありません。4つの条件を満たす必要があります。

.その傷病で初めて病院に行ったのはいつか?(初診日という)

 

.初診日の前日までに一定の年金保険料を納めている又は免除にしてたか(保険料納付要件という)。

 

.その初診日から1年6ヶ月経った、または1年6ヶ月経つ前に治ったか(治ったというのはもうこれ以上治療の効果が望めないというような意味を指します。手足切断したらいくら治療してもどうしようもないですよね)。→この1年6ヶ月経った日又はそれまでに治った日を障害認定日という。

 

.障害年金請求の時に出す診断書が障害年金受給する程度の等級にあるか。

.はですね、ここが最初の大きな壁ですね。転院する人は多いですが、現在通ってる病院の初診日ではなく「その傷病で初めて通院した病院が初診日」になるんですよ。初診日を証明してもらうために、初診日のある病院から受診状況等証明書というのをその病院のカルテに基づいて書いてもらいます。

ちなみに、ずっと同じ病院行ってるならいちいち初診日を証明してもらう必要は無い。なぜ初診日を証明する必要があるのかというと、「初めて病院に行ったという保険事故が起こった時に加入していた年金制度から障害年金を支給するから」です。そして、「その保険事故である初診日前の年金保険料納付状況を見なければならないから」。

まあ…多くの人が障害年金なんて知らないもんだから、随分と時が経ってから障害年金を知って請求という場合が多いんですけどね。

その初診日のある病院に通わなくなって5年以内ならカルテ保存義務があるからカルテが残っていますが、5年を超えるとカルテが破棄されて初診日証明の難易度がかなり高くなってしまう(5年経ってるからといって必ずしもカルテが破棄されてるとは限らない)。

よって、その傷病が将来長引くようなものであれば、あらかじめ受診状況等証明書を取っておくとか、初診証明になりそうな資料はきちんと保存しておくことが重要。ちなみに初診日にはいろんな例外がありますがこの記事では割愛。

.は、公的年金は保険だから「保険事故である初診日が訪れる前に、年金保険料をちゃんと納めたり支払うのが困難だったなら保険料を免除にしてリスクに備えてきたかなー?」というのをみるため。

ちなみに、初診日までに全ての期間が保険料納付とかじゃなければならないわけではなくて、一定の期間を満たしていればいい

初診日の前日において「初診日の属する月の前々月まで」の年金保険料を納めなければならない期間があるならその期間の3分の2以上は保険料納付か免除期間でなければならない

それか、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの直近1年間に未納が無ければそれでも構わない(65歳未満の人に限る)。例えば平成30年8月7日に初診日なら、その前々月の平成30年6月から平成29年7月の間に未納が無ければいい。普通は直近1年に未納がないかを見る。

こういう保険料の状況を見るから、保険料の未納は避けろってうるさく言われるわけです(笑)。もうね、初診日わかっても保険料未納が多くて請求不可とか泣くに泣けない事態ですよ。保険料納付要件満たせずに請求不可っていう事も割とあるから、未納だけは避けてもらいたい所であります。

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