栄華を極めた日本のメーカーが、世界で競争力を失ったのはなぜか?

 

 ビル・ゲイツ「銀行は将来必要なくなる」

ソフトウェアを金融業界に応用したフィンテックに関しては、地に足のついていない記事が多い中で、とても真っ当な記事を見つけたので、紹介します。

筆者は、将来の金融業務を二つの軸で4つの象限に分けて考え(下の図)、右上は中国のアリペイApple Payが、右下はAmazonなどがソフトウェアの力を使って、従来型の銀行から価値を奪って行くと指摘しています。特にAmazonは、Amazonを通して商売をしている中小企業の財務状態を、どこよりもしっかりと把握しており、銀行よりもはるかに低いリスクで運転資金を提供することが可能であり、これが圧倒的な力となって、銀行から顧客を奪う可能性は否定できません。

そこで銀行としては、カスタマイズ重視の左側の二つの象限でしか勝負が出来なくなると指摘していますが、プライベートバンクも、手数料が安く、かつ、パフォーマンスが安定したETFの存在が幅広く認識されるにつれ、次第に預かり資産の1%~2%などという法外な手数料を取ることが難しくなっており、今後、生き残りが難しくなってくると私は見ています。

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ちなみに、フィンテック(右側の二つの象限)の伸びで最初に苦しい思いをするのは地銀で、アパートローン・バブルが本格的に崩壊した後には、7~8割が淘汰されて行くのではないかと私は見ています。

image by: Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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