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「Yahoo!カテゴリ」22年の歴史に幕…ディレクトリ型検索の終焉

情報が加速し続ける社会は便利である一方、人々から「じっくりと考える時間」や「感動の余韻」を奪っているとも言えます。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では著者でNY在住の著者・りばてぃさんが、今月末をもって終了することになったサービス「Yahoo!カテゴリ」を取り上げ、手作業の魅力や差別化について考察します。

手作業で行うことの魅力や差別化を考える

『「Yahoo!カテゴリ」、「Yahoo!ビジネスエクスプレスサービス終了のお知らせ』がある。

たまたま偶然見かけたが、このニュースを皆さんご存知だろうか?

Yahoo!カテゴリ」とはYahoo! JAPANが創業した1996年に開始して以来続いていたサービスで、ウェブサイトやブログやSNSの話題性や、Yahoo! JAPANの利用者のニーズに応じて役立つ情報を幅広く集めてカテゴリ分けして掲載するサービスである。

「Yahoo!カテゴリ」に登録されることである意味の保証というか、お薦めされたという安心感をユーザーに認識してもらうのが目的。

逆にいうと、「Yahoo!カテゴリに登録されたことそのウェブサイトやブログやSNSの内容が安心して読めるものともいえる。

極論すれば、Yahoo! JAPANのユーザー数などを考えると、よくわからないものは選ばれないため、読むべきものと言っても過言ではないかもしれないのだ。

どのようにして安心できるものを選んでいるのかというと、「サーファーと呼ばれるYahoo! JAPANのスタッフが手作業でサイト情報を収集する、ディレクトリ型検索を行なっており、さらにそれらの情報を「エンターテインメント」「メディアとニュース」などのカテゴリに分類して登録しているのだそうだ。

Yahoo! JAPANによると、インターネットが普及し始めた当初は利便性の高いサービスとして存在していたそうだが、近年のサイト数の爆発的増加やSNSの普及などでウェブ環境は激変。

特にサイト数の増加は「サーファー」と呼ばれるスタッフが手作業で情報収集や登録作業をするには膨大すぎて厳しくなったため、プログラム処理への移行を促進していた。

また、世の中は、Yahoo!検索やGoogle検索などのいわゆる人の手ではなくロボットを使った自動化、「ロボット型検索が主流となってきている。

そういった状況を鑑みると、「ディレクトリ型検索」も一定の役割を終えたものと考え、サービスを終了する決断に至ったとのこと。

また、審査を経て広告やストア出店などが可能となる「Yahoo!ビジネスエクスプレス」も2017年7月31日に販売を終了するそうだ。

時代の流れを感じる。ディレクトリ型検索では対応できないほどの情報量。

ディレクトリ型検索のお仕事を担当する「サーファー」でなくても、日々、見聞きする情報は膨大で処理しきれないなぁと感じている人は多いと思う。

そこに加えて膨大な情報をさらに探しに行き、掲載できるかどうか判断するという作業はかなり大変だ。

考えるだけで頭がパンクしそうな作業だ。

いまや知らない人はいないグーグルやヤフーなどの検索サイトも、最初から今の形が存在していたのではなく、誕生し世間の注目を集めたときがあり、そこから進化を続けてきた。

上述のとおり、ヤフーは「サーファー」と呼ばれるスタッフが手作業でサイト情報を収集しお薦めのサイトを厳選

そして、「エンターテインメント」「メディアとニュース」などのカテゴリ分けするところから始まった。

そのため、まだグーグルが登場する前のヤフーが全盛期だった頃は、ヤフーの編集部さんに選んで頂いてヤフーカテゴリーに掲載されるということはそれだけで、そのウェブサイトの情報やサービスの利用価値が優れているという証拠でもあり、とても光栄なこととして受け止められていたのだ。

たぶん今でもそういう感覚は皆さん、お持ちのことだろう。

だからこそ、今月末までこの手作業によって作られるヤフーならではのコンテンツは存続してきたということだろう。

しかしそれも、3月29日でサービス終了。

ウェブ環境は大きく変わった。

特に、サイト数の増加は人の手による情報収集や登録作業を厳しいものとし、プログラム処理への移行を促し「ロボット型検索」が主流となってきたということだが、それでこのサービスを終了させてしまって本当に良いのだろうか

ロボット検索が優れているというのは理解できる。

それはそれで取り入れたら良いだろう。

でも、人間ならではの感覚やひらめきのようなものを元にした手作業で作った、「Yahoo!カテゴリ」にはロボット検索にはない魅力や』が生まれるような気がする。

それに、ロボット検索の場合、競合他社の検索サイトとの差別化は難しくなるのではないだろうか。

実際、現在のヤフーのロボット検索はご存知のとおり、グーグルのものを使用しており、検索機能だけを求めるなら極端に言うとヤフーには存在価値がないということになってしまう。

ヤフーはニュースやその他のコンテンツを見るだけという人も多いと思う。

今後、人工知能などが普及すればするほど益々、ロボット検索の結果はどの検索サイトで行なってもほぼ同じになってくるのではないだろうか?

そうなってきたときに生の人間が手作業で選別して厳選して作り上げた、「Yahoo!カテゴリ」のようなコンテンツはそれ自体がある意味1つのアート作品のようなものとか、その時代時代の社会を切り取って保存した歴史的資料にになるなど、何かしらの価値を生み出してくるような気がする。

しかもヤフー創業当時から20年以上積み上げてきたものだ。

それがこの3月29日で終わってしまうというのはなんとなくもったいない気がするが皆さんはどう思うだろうか。

ちなみに、このヤフーのカテゴリ検索内で、うちのブログ「ニューヨークの遊び方」を検索すると、大変光栄なことに3つのカテゴリーに掲載されている。

1つ目は、ニューヨーク > 生活と文化 > 人々

2つ目は、カテゴリB級グルメ

そして、3つ目は、カテゴリオススメサイト > 地域情報

・・・に登録されている。

なお、

ニューヨーク > 生活と文化 > 人々

のページには、ヤフーカテゴリ推奨として、さらに、メダルマークを付けて頂いている。

ご参考:
「Yahoo!カテゴリ」「Yahoo!ビジネスエクスプレス」サービス終了のお知らせ

image by: Yahoo! JAPAN

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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