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なぜ「よくお似合いですぅー」が聞こえる店は繁盛しないのか

多くの企業が顧客満足度を高めるためさまざまな施策を展開していますが、そもそも「顧客満足」とはどういったものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、顧客満足の定義とその向上方法について記しています。

顧客満足とは?

お客さんは、商品を購入したり、あるいはサービスを利用しようとするとき、目の前にある商品やサービスに興味があるので、それを求めている。

と思っていませんか?

確かにお客さんは目の前にある商品やサービスそのものを求めて購入したり利用します。ですが、そこにはその商品やサービスを必要とする理由が必ずあります。その理由を察知することが第一線の現場では重要です。

「いわれなくても、当たり前じゃ!」
「それぐらいのことわかってますよ」

って反論されるかもしれないですが、頭でわかっているだけで、いざ、売り場や営業している場面、あるいは宣伝文句なんかを見てみると、「ほんとにわかってますぅ?」というところは、結構多いものです。

「目の前の商品が売れればそれでいいじゃん」
「サービスを利用してもらったんだから十分」
「たくさんご来店くださったんだからいいじゃないですか」

結果オーライで済ませている会社やお店がそうです。

だけで終わっていれば現在以上の会社やお店にはなれません。

たとえば、新しい洋服を買いにいきました。デザインも色も好みで試着するとサイズもピッタリ。店員さんからも「よくお似合いですわ~。これからの春のシーズンにもピッタリなんですよ」と話しかけられ、すっかりご機嫌。で、そのまま購入。

よくあることです。確かにこれでOKなのかも知れません。ですが、

ってことです。この確率をどうやっていけば上がっていくのか? ってことを考える必要があり、実際にそれを実践していく、これが営業や販売の現場ではとっても重要なことなのです。繁盛しているお店や会社はこのことを十分に理解しています。

確率を自然と上げていくには、お客様を誘導したり、煽ったりといったテクニックでは絶対に通用しません。そんなものではなく商品に対するニーズを察知しお客様の感じる商品価値に対して理解を一歩深めることです。

たとえば、先ほどの洋服店の場合だと、お客様が試着して気にいって満足しているということ以上に、実際にその洋服を着て出かけた先で友人や家族から

「その服、いいね」
「おしゃれだね」
「とっても似合ってるよ」

などと褒められる。あるいは、気分が落ち込んでいたけど、その服を着れば気分転換になって、気が少し晴れた。などというところに商品価値がある、ということを知る、ということです。

つまり、商品は、

ということです。そのことを十分知っておくと、「よくお似合いですわ~」なんて誰でもできるトークで終わることはなく、もっと他に伝えるべきことがあるのに気がつきます。ちなみに、あなたならどのようにこのお客様へ話しかけますか? 考えてみてください。

これはサービス業態にも言えること。たとえば、肩こりがひどくてマッサージに行きました。確かにマッサージを受けると気持ちがいい。コリも取れ、体もらくになり、すっきりしました。でも、ほんとの価値は“気持ちがいい”とか“コリが取れてすっきり”ということではありません。

マッサージを受け、肩こりが治ったことによって、デスクワークが今まで以上にはかどるようになった。それに伴い集中力も上がるようになった。足のむくみが取れてスッキリしたのが価値ではなく、むくみが取れたことによって、立ち仕事が辛くなくなった。あるいは、お気に入りのブーツがはけるようになった。

など、マッサージそのものによる快適さ以上に価値を感じているのです。

など、どこでもいえることです。

まとめてみると、お客様にとって商品やサービスの価値というのは物質的、時間的な満足だけでなく、さらにその先にあるものなのです。それが「顧客満足」です。従って、商品やサービスそのものに対する価値ではなく、その先にある、それ以上の価値を察知し、伝えていくことができるとお客様から選ばれる確率も自然と高まっていくのです。

簡単にいうと、「えっ、そこまで考えてくれてたんですか?」というようなことをお客様から言われるようになることです。そんなことが、信頼関係を育んでいきやがて顧客満足No.1といわれる会社やお店に成長していくのです。

■今日のまとめ

『顧客満足とは商品やサービスそのものの先にあるもの。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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