というわけで、実践測定の方法を伝授したい。 まず大きめのバケツや風呂桶を用意する。 一緒にストップウオッチも用意(腕時計のヤツで十分)。 そして源泉湯口で注入されている湯をバケツや桶に汲んで、満タンになる時間を測る。 たとえば、5リットルのバケツが満タンになるのに10秒かかったとする。 そうすると、単純計算で1分間に30リットルの新湯が注入されていることになる。 要するに毎分30リットルということである。 小学生でもわかる計算である。
もう一例。 2リットルの手桶が満タンになるのに1分かかるようなチョロ流しの場合は、単純に毎分2リットルということだ。
温泉ファンが歓喜するドバドバ泉などでは、2リットル程度の桶は1秒くらいで満タンになるから、毎分120リットルくらいということになる。 これを3回くらい繰り返して平均値を取れば、それほどものすごい誤差にはならない。 ただ、なるべく容量の大きいバケツを使った方が精度は上がる。
このやり方でわかるのは、「あくまでおおまかな数値」でしかないのは確かだが、おおまかでも、わかるか、わからないかでは雲泥の差があると思う。 そう思いませんか? このバケツ測定を、ぜひすべての温泉施設で行って、それを掲示して欲しいものだと思う。 曖昧な数値だから掲示しても意味がない、というのは誤った考えである。 前号でも取り上げた「湯雨竹」の発明者・斉藤雅樹東海大教授は、『温泉失格』の取材の時に、「大雑把でもかまわないから、情報を開示することに大きな意味がある」と断言していた。
というわけで、以上、「浴槽への源泉注入量のざっくり計測法」である。
ぜひマイ手桶の容量をあらかじめ測って知っておくことをおすすめしたい。
image by: Shutterstock