文科省から不当な圧力。前川氏を許すことのできない黒幕は誰なのか

 

萩生田氏が自民党内で存在感を示しはじめたのは総裁特別補佐だった2014年ごろからだ。同年の党本部新年仕事始めは、萩生田氏の進行により「君が代斉唱ではじまった。結党以来、初めてのことだった。当時の石破幹事長の意思さえ無視する傍若無人な態度は記者たちの間で話題になった。

その政治手法は、とにかく安倍批判勢力を抑え込むことだ。総選挙直前の2014年11月20日、筆頭副幹事長だった萩生田氏は報道局長と連名で在京テレビ各社あてに、脅しとしか思えない文書を送りつけている。

衆議院選挙は短期間であり、報道の内容が選挙の帰趨に大きく影響しかねないことは皆様もご理解いただけるところと存じます。また、過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあったところです。

非自民の細川連立政権が誕生した衆院選におけるテレビ朝日の報道を引き合いに出して、少しでも自民党に不利な報道をしたら承知しない、という姿勢を露骨に示した申し入れ文書だった。今回、赤池、池田両氏が文科省に圧力をかけて名古屋市教委に出させたメールに共通するやり方だ。

極右思想に染まった自民党文教族に、これほどまで日本の教育行政がゆがめられている。「国のために命を賭けよ」と説く総理大臣の野望をかなえるため、そのチルドレンたちが凝り固まった道徳観をこの国の教育に注入しようとしている。

野党が赤池、池田両氏の参考人招致を求めているのは当然のことだが、元凶は森友、加計問題と同じく、安倍首相自身であろう。

image by: WikimediaCommons(文部科学省)

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