【書評】「楽しまなけりゃ損」ばかり言うバカにつける薬

 

勢古さんは言う。「もう老後だとか、豊かだとか、健康とか、楽しむとか、もったいないとか、損とか、後悔は嫌とか、が気持ち悪い」「実際、『いい歳したおとな』が『楽しむ』だの『楽しみたい』だのといいすぎる。(略)『楽しまなきゃ損だ』ってなにかね? 自分でなんの元手も払っていないのである。それで『楽しさ』だけはタダ取りしようというのである」。異議なし!

定年や老後に関する本や資料を読んでいると、不安材料がこれでもかというほど集められていることにうんざりしたという。定年前や老年前の人は、定年本や老後本でたっぷりと煽られ、自分の人生のこれからに不安を覚えている。わたしは実用ではなく、趣味でその類いを読んできたから殆ど他人事であるが。

「不安なのは、不安のなかに入る前が頂点で、いったんその中に入ってしまえば、案外大丈夫なものですよ、と。なんとかなりますって。現に、大抵の人はなんとかなっているし、なんとかしているのである。結局、自分は自分と思うしかない」という結論は全然面白くない。意地悪度が不足である。

編集長 柴田忠男

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