賃貸vs持ち家論争、お金のプロは「持ち家が有利」と断定する理由

 

持ち家には「安心感」というメリットもある

しかも、持ち家のメリットはそれだけではありません。持ち家には、「安心感」というメリットもあります。というのも、持ち家があれば、家賃は払わなくていいからです。これは、不況が続く現代だからこそ、より意味の大きいことだと思われます。

昨今では、サラリーマンといえども、「将来安泰」とはいえなくなりました。会社が倒産したり、リストラされたりして、路頭に迷う可能性も多々あるのです。そんなとき、家を持っているのと持っていないのとでは、大きな違いがあるのです。

たとえば、50歳くらいでリストラもしくは肩たたきをされた人がいるとします。この人が、もし家を持っていたなら、そう慌てなくて済みます。ローンが残っていたとしても、退職金で何とかなるでしょう。後は食う分だけを稼いで年金まで食いつなげばいいのです。食う分だけならば、アルバイトでも何とかなるはずです。だから、再就職の選択肢もぐんと広がるのです。

しかし、家を持っていなければ大変です。どんなに切りつめても、生活費はそれなりにかかります。アルバイトだけで生計を立てていくのは至難の技です。必然的に、再就職の幅は狭まります。50歳を過ぎた人を正社員として雇ってくれるところはなかなかないでしょう。家というのは、いざというときの拠り所になるわけです。

筆者は、ホームレスやネットカフェ難民などの取材をしたことがあります。ホームレスやネットカフェ難民が、放浪生活を余儀なくされる過程を見ていくと、「家賃」が重要なポイントになっていることがわかります。というのは、彼らのほとんどは、「家賃を払えなくなった時放浪生活の始まりとなっているからです。

彼らの中には、若いころにちょっと手を伸ばしていれば家を持てた人もかなりいると思われます。ホームレスやネットカフェ難民の方の中には、元エリート・サラリーマンなども時々います。彼らはサラリーマン時代、家を買う余裕はあったはずです。サラリーマン時代に家を買っておけば、彼らは路上生活に陥る可能性は低かったものと思われます。

またエリート・サラリーマンに限らず、元職人さんや、元労務者の方など、昔は羽振りを利かせていたような人もけっこういました。そういう方々も、ちょっと頑張れば、郊外の小さなマンションくらいは持てたはずなのです。

また“家”を持っている人と持っていない人では、心理的にも大きな違いがあります。“家”を持っている人は、収入が少なくても自分のことを貧乏だとは思わないでしょう。それは、人生を楽しく生きていくうえで非常に大きな要素ではないでしょうか?

print
いま読まれてます

  • 賃貸vs持ち家論争、お金のプロは「持ち家が有利」と断定する理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け