耳タコだろうけどコンセプトないと「お宅は何屋さん?」状態だよ

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コンセプトは、会社、お店を運営していく上での基本概念となるもので、これがなければ統一感も方向性もバラバラとなり、人も会社も成長することなんて出来ません。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、コンセプトの重要性とその構築プロセスについて詳しく解説しています。

最も必要な要素

企画職や開発の方にとっては、耳にタコが出来るくらいだと思いますが、商売ビジネスをしていく上でコンセプトは非常に重要です。しかしながら、売上が低迷続きであったり、人が育たないといった会社やお店に限ってこの重要性を認識していません。

コンセプトは、会社、お店を運営していく上での基本概念となるものです。「こうこうこういう思いで会社お店をやっているこうこうこういうがコンセプトであり、それを具現化していく上で、商品やサービス、人材教育にまで及んでなければならないのです。

つまり、コンセプトがなければ統一感も方向性もバラバラとなり、「一体、お宅は何屋さん何がしたいの?」となるわけです。

そんな方向性もままならないところで、社員が育つはずもありません。それどころか、ついてもきてくれません。当然、こんなことでは人も会社も成長することなんて出来ません。お客様にとっても怪しいと映ってしまうこともあり、信頼を得ることも出来ません。

それほどまでにも重要なコンセプトですが、経営していく上では最低限3つ必要です。

1つ目が経営理念から派生する企業組織としてのコンセプト。理念とコンセプト、非常に似通った意味ですが、厳密にいうと、経営理念があって、はじめて企業コンセプトが成り立つ必要があります。

経営理念は会社としての全体像・方向性を示すものであり、企業コンセプトは、その全体像・方向性の中から「だからこの会社をやっている」という「だから」の部分の理由・根拠をメッセージ化したものです。

たとえば、経営理念に「地域社会に豊かさを実感してもらう事業を継続すること」とあったとします。それを基に「その事業を全うするために、会社(組織)がある」というようなことです。この「全うするために」の部分に理由や根拠が企業コンセプトとしてなくてはならないのです。

2つ目に必要なのは、商品やサービスのコンセプト。企業コンセプトを軸にして「だからこの商品、サービスなんです」の「だから」の理由や根拠が、商品やサービスのコンセプトとしてなくてはなりません。いってみれば、商品やサービスの持つ個性・特性を主張したものです。その主張が市場や顧客から見た価値となるのです。

なので、コンセプトなき商品やサービスは顧客や市場に対して価値を感じてもらえません。価値を感じてもらえないということは、売れないということです。

では、商品やサービスのコンセプトを市場や顧客へ伝えるために必要なことはなんでしょうか?

それが3つ目マーケティングです。

なのですが、このマーケティングにもコンセプトがなくてはなりません。

  • 企業コンセプト×商品・サービスのコンセプト ⇒ マーケティングコンセプト

このようなイメージです。これが三位一体となって始めてマーケティングが有効となります。この順序をたどらないのが、いわゆる小手先です。小手先で通用しないというのは、経営理念や企業、商品などのコンセプト部分、いわゆる背景、核がないからです。ニーズがあるから提供している、というだけでは、それ以上はありません。こんなものを真のマーケティングとは言いません。

マーケティングコンセプトとは、会社やお店の市場に対する考えを明確化したものです。会社、お店として市場や顧客にどう向き合っていくか? どのように向き合っているか? ということです。さらに、商品、サービスの持つ特性をどう伝えるか? を決めていくための物差しとしても必要なのです。また、市場に対する考えを明確にする、ということから言い換えると、市場や顧客に対する新価値の提案でもあるのです。

ただし、注意しなくてはならないのが、自社の有益性より先に顧客、市場にとって有益な提案かどうか? ということ。このことを十分に検討し創出する必要がありますが、これらが満たされると需要を新たに創出していくこともできます。これは決して、小手先のマーケティングで出来ることではありません。

以上、3つのコンセプトを持つことが長期に渡り会社やお店、人を成長、発展させていくには必要不可欠なものとなります。御社には3つのコンセプトが明確にあり、社員と共有できていますか?

■今日のまとめ

経営していくうえで3つ必要なコンセプトがある

  • 自社のコンセプトを書き出す。(無い場合は理念を基に考え創出する)
  • 上記を受けて、商品やサービスのコンセプトを書き出す。
  • 上記2点を受けて、マーケティングコンセプトを創出する。

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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